初めてのフレキシブル基板「もっと知る」

▶ 「始める」 → 「もっと知る」 → 「学ぶ

プリント基板を使ったことがあるけれどフレキシブル基板の経験はゼロという人向けに、「始める」「もっと知る」「学ぶ」の3ステップで解説します。
読み終えた時に
  • 「フレキシブル基板の効果的な使い方」が分かり、
  • 「フレキシブル基板を(それなりに)設計できる」こと。
  • 次に基板を作るときに「フレキシブル基板が思い浮かぶようにする」こと。
を目的としています。
* この記事の元スライドは「エレファンテック ライブラリー」で読めます。

別にリジッドでも良いのでは…

前回の記事ではフレキシブル基板の特徴を紹介しました。
リジッド基板とフレキシブル基板の特徴を比較して「自分にはフレキシブル基板は必要ないな…」と思った方がいたら、正直その通りかもしれません。
「とりあえず基板が動けば良い」という段階で使うものではなく、小型化などよりハイレベルな設計をするために使われているからです。
逆に言うと、FPCを抵抗なく使えるようになれば、リジッドではできないものを作れるようになるでしょう。

事例1:GROOVE グローブ型デバイス

ダンスグループのGROOVEが開発した、ダンスしながら手のジェスチャーで照明をコントロールするグローブ型デバイスです。エレファンテックのP-Flexで作られました。(画像・動画の基板は旧仕様のP-Flexです。)
歪みセンサとLEDを基板に取り付けることで、リアルタイムな演出を可能にしたデバイスで、FPCの曲げられるという利点を生かしています。
下の動画で実際に使用している様子を見ることができます。

事例2:ヘッドマウントディスプレイ HTC Vive

この事例はエレファンテックのフレキシブル基板ではない基板を利用した事例です。
様々な電子機器を分解して紹介している iFixit というウェブサイトがあり、フレキシブル基板を用いた製品もたくさん紹介されています。ここではその一つとしてHTC社製のヘッドマウントディスプレイ HTC Vive を引用して紹介します。詳細はiFixitをご覧ください。
ヘッドマウントディスプレイなので、フレキシブル基板を利用することで小型化・軽量化をしていると思われます。

HTC Vive の外観
前面のカバーを外すとフレキシブル基板がたくさん使われているのが分かる。

画像引用元:iFixit

事例3:フレキシブル基板(FPC) + 配線

複数のセンサをFPCで配線してモジュール化したもので、エレファンテックが配布しているサンプル基板です。
UVセンサと温度センサがあり、ICを載せたリジッド基板に繋いで使います
FPCによって配線をシンプルにできました。
フレキシブル基板(実装済)

設計 エレファンテック
部品点数 13
基板サイズ 85 x 76 mm

リジッド基板との比較

フレキシブル基板を使う理由で非常に大きいのが、「配線をすっきりできる」という点です。
リジッド基板をたくさんの配線で繋いでいると間違えやすく組み立ての失敗の原因にもなります。それらの配線をフレキシブル基板に置き換えることで、何本ものケーブルを接続する代わりにフレキシブル基板を接続するだけで配線が完了します。
リジッド基板との比較
この写真はエレファンテックで無料配布しているサンプルのフレキシブル基板と、同じ基板をリジッド基板で作ったものの比較です。同等の機能を持つリジッド基板と比較すると、FPCは配線が不要な分だけシンプルに作れていることが分かります。(リジッド基板の配線は少々大げさですが…)
リジッド基板 と フレキシブル基板

まとめと次回予告

この記事ではフレキシブル基板をもっとよく知ることを目標に、フレキシブル基板を利用している具体的な事例を見ていきました。実例を見ることでよりイメージが湧きやすくなったのではないでしょうか。
次の記事では「学ぶ」と題して、フレキシブル基板を実際に使うために必要な知識を紹介します。

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