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初めてのフレキシブル基板「始める」

▶ 「始める」 → 「もっと知る」 → 「学ぶ

プリント基板を使ったことがあるけれどフレキシブル基板の経験はゼロという人向けに、「始める」「もっと知る」「学ぶ」の3ステップで解説します。
読み終えた時に
  • 「フレキシブル基板の効果的な使い方」が分かり、
  • 「フレキシブル基板を(それなりに)設計できる」こと。
  • 次に基板を作るときに「フレキシブル基板が思い浮かぶようにする」こと。
を目的としています。

* この記事の元スライドは「エレファンテック ライブラリー」で読めます。

フレキシブル基板(FPC)とは

そもそもフレキシブル基板とはどのような基板なのでしょうか。

リジッド基板(普通の硬いプリント基板)と比較して次のような特徴があります

  • 「曲げられる」プリント基板 ↔︎ 硬いリジッド基板
  • 非常に薄い(< 0.1 mm)材料の上に回路を形成している。
  • 高価で設計が難しいという欠点もあるが、軽量化・小型化などのために使われている。
フレキシブル基板

フレキシブル基板(FPC)の利点

  • 曲げられる、筐体にフィットする
  • 小型化・軽量化できる
  • 配線をシンプルにできる
一番の利点はやはり「曲げられる」ところです。
曲げられるということは、可動する場所に利用する以外にも、筐体にフィットした基板設計ができるという利点にもなります。
リジッド基板と比較して薄くて軽いという利点もあります。配線をシンプルにできる点は、組み立て工程をシンプルにできることを長所と考えて採用することもあるようです。

フレキシブル基板(FPC)の主な用途

  • ヒンジ、ロボットの関節などの可動部
  • 自動車のワイヤーハーネス
  • IoT機器/ウェアラブルデバイス
今後の記事で後述しますが、FPCには欠点もあるため、「欠点に目をつむってもFPCの利点を活かしたい」状況で使われることが多いです。

機械の可動部はもちろん曲がる必要がありますし、自動車、航空機などは軽量化によるメリットが大きいです。また、最近はIoT機器やウェアラブルデバイスなどで小型化のために使われています。

リジッド基板との比較

リジッド基板とフレキシブル基板との特徴を簡単にまとめて比較するとこのようになります。

リジッド基板

  • とにかく安いし納期が短い
  • 設計や取り扱いが簡単
  • 特に困ってないので変える理由がない

フレキシブル基板

  • 曲げられる、筐体にフィットする
  • 小型化・軽量化できる
  • 配線をシンプルにできる

まとめと次回予告

この記事ではフレキシブル基板とはどんな物でどのような特徴があるのかを「普通のプリント基板」(リジッド基板)と比較することで紹介しました。
次の記事では「もっと知る」と題して、フレキシブル基板を使った具体的な事例を紹介することで、実際にフレキシブル基板を使うことでどんなメリットがあるのかを見ていきます。

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