【フレキシブル基板にチャレンジ!】地球儀編[5]:フットプリント模索

【フレキシブル基板にチャレンジ】シリーズ とは
エレファンテック技術ブログ新企画、東工大の学生が初めてフレキシブル基板を使って、実際に電子工作する試行錯誤のレポート。
新シリーズ地球儀編もよろしくお願いします!

【フレキシブル基板にチャレンジ】シリーズ 記事を全部見る

どうも、高橋です。

 

前回のおさらい

パッドの形によってリフローしたときの整列力(?)が変わってくるらしい。

そもそも前回作った基板は推奨形状をガン無視してたので、ちゃんとした形のフットプリントを使いましょうという感じの流れがありました。

 

試験基板到着

とりあえず到着。上のものがリジッド基板で下がフレキシブル基板です。

左右で大きさが違うのはちょっと事情がありまして…フレキシブル基板のパッドの右側のものはレジストの乗っていない(露出したエリア)が推奨されたパッドの形状になるように作ってあります。逆に左側はパッド設計を推奨の通りに行い、それに対してp-flexの規定であるクリアランス0.2mmの設定をかけたものになります。

つまりここがちょっとしたなんですが、レジストがフットプリントにオーバーラップするような設定を行った場合、kicadはパッドに対して何の調整もしないので露出するエリアが本来より小さくなります!!

分かりにくいと思うのでkicadの画面で改めて解説。

これがkicadの画面なのですが、画面の赤色の部分が設計したパッドです。左は推奨通りに設計したもので、右はそれより0.2mm大きくなるように設計しています。

そして紫色の部分がレジストがかからない部分で、つまり金属端子部が露出する、はんだが乗るエリアになります。普通のリジッド基板ではクリアランス設定は+0.05mmとなっており、パッドの外側0.05mmの範囲までが露出します。そのためパッドがレジストに覆われることは無いので普段は問題になりません。

しかしp-flexの場合、推奨設定である-0.2mmを適用するとパッドの内側0.2mmまでが露出することになります。つまり外縁0.2mmがレジストに覆われて露出面積が減るということになるのです。

このため、リジッド基板の場合は推奨通りに設計したパッドが正しい形状となり、フレキシブル基板の場合は0.2mm大きく設計したパッドが正しい形状となるのです。面倒!!!そのあたり自動で調整してくれるCADとかあるんでしょうかね。まあkicadは無料なので文句は言いませんが。

で、今回はそのまま作ってパッドが意図せず小さくなってしまったような状況と比べてみたいなあという思いがあったので両方作りました。もしこれで両者に大差が無ければフレキシブル基板用のパッドをいちいち作る必要もなくなるので楽なのですが…。

 

リフローやってみた

前回の紙ステンシルではなく、厚さ125μmのPETステンシルを使ってみました。紙とかPETのステンシルも悪くないけどメタルが一番みたいな話はよく聞くのでそれもいつか比較します。

そして、今回はちゃんと位置合わせの穴も出力してあるので、この3Dプリンタで作った治具君にはめて……はめ……

なんかめちゃガバガバだったので手動で合わせました。合掌。

 

よさそう。

 

いざリフロー

結果がこちら。

上の写真右手/下の写真奥が正しいパッドで、上の左/下の手前がそのまま作って小さくなってしまった方のパッドです。

正しい方は綺麗に整列していますね……これが推奨パッドの力です!!!(今更)

対して小さくなった方ではハンダが多すぎたのか、LEDがバラバラな方向を向いてしまっています。ちょっと今までとは違う形での弊害ですが、何にしろちゃんと推奨形状になるようなパッドを使わなきゃダメということですね。当然と言えば当然。

ただ、今回のステンシル厚は125μmで、一般的には100μmが良いとされています。というわけで、次回は様々な厚さのステンシルを使って試してみようと思います。

 

整列力とは?

どういう形にしたらちゃんと整列するんだろうという疑問が湧きまして、ちょっとgoogle先生に聞いてみたんですが…

「リフロー 整列 なぜ」

「リフロー 部品 吸われる なぜ」   ←リフローでの整列現象を”部品がパッドに吸われる”と言うので…

しかし出てこない……うーん……

 

「リフロー スッ なぜ」

 

俺の書いた記事じゃん!!!

マーケティング…ヒットしてるのスッしかねえじゃん…高知県電子図書館どうしたよ…

ということで適当に想像してみたんですが、少なくともハンダが”逃げる”スペースがあるのは必須なのかなあと。

よくあるチップ抵抗などはこんな感じですね。これで左右から引っ張られることで整列するのでしょうか。

ただ、今回採用したLEDの端子はこんな感じでした。

それに対して作ったパッドがこんな感じでした。

一見、それぞれが上下に引っ張られることで傾きが修正されそうに見えますが…うまく行かなかったわけですね。

ただ、これの場合とチップ抵抗の場合で違うのは、パッドが側面に存在するかどうかという点。

側面まで金属端子があれば部品が”沈み込んで”左右から引っ張られますが、底面にしかないと逆に浮いてしまうのでむしろ不安定になってしまう…?という説が。これが正しければ前々回の設計の基板がうまく行かなかった説明になりますね。

そして以下が推奨形状。

狭い方の側面には端子が続いているので、横から引かれてうまく釣り合う…ということなのでしょう。

とすると、こういう形状のパッドだとどうなるのでしょう?

 

まとめ

 

・推奨通りに作ろう(当然)

・横着しないでフレキシブル基板用に直したパッドを使いましょう

 

次回予告

次回、ステンシル厚を変えたりもうちょっと違う形状のパッドにしてみて、整列力について探っていこうと思います!

 

……え? 推奨形状はデータシートから与えられるんだからいいじゃんって

 

コメントを残す