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「岡谷市・長野県の産業に インクジェットものづくりが 貢献する方法を考える」発表報告

岡谷市・長野県の産業に インクジェットものづくりが 貢献する方法を考える

長野県工業技術総合センター「研究・成果発表会」にて「岡谷市・長野県の産業に インクジェットものづくりが 貢献する方法を考える」と題して発表させていただきました。

岡谷(諏訪湖周辺)の産業の歴史を振り返ると、第2次世界大戦前にはわが国の製糸業の先進地で、一時期は世界で一番多く生糸を生産する町だったそうです。当地の農業に関しては専業農家はほとんどみられず,住民は機械金属工業とのかかわりが大きかったそうで、基本的には糸繰機のメンテに始まり、イタリア式とフランス式の良い部分をかけ合わせた地元で開発された糸繰機の生産などに纏わる仕事をされていたのでしょう。 戦後,ナイロンの登場によりピボットせざるを得ない環境に置かれた人々は、知恵を絞り精密機械工業への発展を遂げたそうで、岡谷市は、「時計・カメラ・オルゴール等の『小物の切削 部品』の製造を得意とし、『東洋のスイス』として名を馳せた。」そうです。 その後産業は伊那に広がり、アジアへ移動。産業空洞化対策で産業クラスター化を進め地域で仕事を受ける努力が続けられています。

今回の発表では、この紡績産業→時計→プリンターと言う形で進化を遂げたインクジェットヘッドが、地域の産業とコラボレーションすることで、新しい価値を創造できないか、既存のプロセスが改善することはできないか、と言う視点でいくつか提案をさせていただきました。例えば、半導体のリードフレームは部分的に銀メッキをしていますが、これをインクジェットで銀を塗布することで代替するという研究があります。https://shingi.jst.go.jp/past_abst/abst/p/13/1306/4u2-7.pdf
精密板金起業が多いこの地域の企業の皆さんに、似たようなことでお役に立てないか提案しました。

長野県工業技術総合センター部門長の石黒様からも、このセンターが地域の企業同士を結び新しい事業を想像するのを支援することが役割なので、共感できるとのお言葉もいただきました。今回は、いつも開催する発表会に比べて多く地域の方にお集まりいただけたようで、関心も高く持っていただけて嬉しかったです。我々もご縁ができたこの地域産業にお役に立てるように継続して交流をしていこうと思うことができる非常にありがたい会でした。

岡谷蚕糸博物館岡谷蚕糸博物館も見学しました。非常に勉強になりました。