下記の記事はPET基材の P-Flex® について書かれています。2018年7月2日よりポリイミド基材の P-Flex® の製造販売開始いたしました。
詳しくはこちらをご覧ください。

フレキシブル基板では、FPCコネクタに挿入する部分の厚み合わせや部品を実装する部分を硬くする目的で、補強板と呼ばれる裏板をよく貼ります。補強板の素材にはポリイミド・PET・ガラエポ(ガラスエポキシ)などの選択肢がありますが、この記事ではどのように素材を選ぶかを説明します。
補強板については『補強板の使い方【はじめようフレキシブル基板】』をご覧ください。
素材の選び方
補強板の使い方には大きく分けて上記の二つがありますが、使い方によって選択する補強板の素材が変わってきます。ここではそれぞれの使い方ごとに素材を紹介します。
FPCコネクタ部の厚み合わせ
FPCコネクタに挿入する部位の基板の厚さは200 μm、300 μmなどコネクタの規格で決まっていますが、フレキシブル基板は通常もっと薄いので、厚みを合わせるために補強板を貼ります。そのため、薄く加工しやすい素材であれば硬さは重要でありません。
ポリイミド
フレキシブル基板の基材として一般的に使われている素材で、エレファンテックでも現在ポリイミド基板を開発中で、今後リリースする予定です。PETより高価ですが耐熱性が優れています。
PET
2018年5月現在エレファンテックで基材として用いている素材です。ポリイミドより安価というメリットがあります。
特に理由が無い限りはポリイミド基板であればポリイミド、PET基板であればPETを使うでしょう。
部品実装部の補強
部品を実装している部位はフレキシブル基板であっても屈曲しない方が通常望ましいため、補強板を貼ります。
ガラエポ
ガラスエポキシ(樹脂)・エポキシガラスなどと呼ばれることもあります。ガラス繊維にエポキシ樹脂をしみ込ませた素材で、通常のリジッド基板で基材として最も一般的に使われているものです。ガラエポの中で難燃性の基準を満たしたものはFR-4という規格名でも呼ばれます。
部品を実装する部分の基板を硬くするために用いられます。一方FPCコネクタの挿入部で使うことは無いと思います。
その他
部品実装部の補強板は、機械的な強度が高く基板に接着できれば問題ないので、実はどんな素材を使っても構いません。金属板やセラミック、紙フェノールなど様々な素材が使われています。
P-Flex®️の補強板
現在エレファンテックが用意している素材はPETとガラエポの2種類です。そのため現状で補強板の素材を選ぶときは、
- FPCコネクタ部の厚み合わせはPET
- 部品実装部の補強はガラエポ
となります。
今後ポリイミド基板をリリースした際には、同時に補強板の素材としてポリイミドも選択できるようになります。ポリイミド基板を選択した場合は補強板の素材としてもポリイミドを選択すると良いでしょう。

追記:ポリイミド基板をリリースしました
2018年7月より、P-Flex®️の基板の選択肢にポリイミドが追加されました。それに伴い補強板の選択肢にもポリイミドが選択できるようになっています。
(追記:2018/09/04)