補強板を注文する前に準備すること

フレキシブル基板(FPC)を設計する際のリジッド基板と比べた大きな特徴として、補強板に関する設計があります。P-Flex™️でも現在オプションで補強板に対応していますが、FPCの設計をしたことが無いお客様からたくさんの質問を受けるので、ここでチェックリストのように必要な情報をまとめます。

準備すること

補強板を利用するために必要なことは大きく分けて以下の3つあります。

まず、当然ながらどこにどのような補強板を実装するのかを決める必要があります。これらは以前の記事で説明したので上記の参照リンクを参照してください。補強板のファイルの設計についても、上記の通り以前の記事で説明しているのでそちらをご覧ください。

この記事では、作業指示ファイルの設計と、補強板と作業指示のファイル形式について説明します。

作業指示ファイルの設計

作業指示ファイルの例(黒字が作業指示ファイル)

現在、補強板付きのP-Flex™️基板を注文いただく際には「作業指示ファイル」を入稿していただくことになっています。作業指示ファイルとは上記の画像のように、補強板にIDを付けるファイルのことです。

目的は各補強板にIDを振ることでお客様とのコミュニケーションを円滑にし、補強板の素材の取り違えなどの製造ミスを防ぐことです。現在はまだ公開していませんが、近日中に補強板のIDごとに素材を指定するフォームもウェブの注文フォームに追加する予定です。現在は備考欄で素材を指定するか、あるいは自動返信の注文確認メールにご返信いただく形でご連絡ください。

これまでより多くのファイルを用意することになるので少し面倒な面もありますが、より早く正しい基板をお届けするためとご理解いただければと思います。

補強板と作業指示のファイル形式

補強板ファイルは基本的に基板の製造ファイル(パターン、レジスト等)と同じファイル形式で作成するのが望ましいです。一方、作業指示ファイルは通常開ける形式(拡張ガーバー, PDF, DXFなど)であればどの形式でも構いません。

FPCの場合、外形を機械CADで作り基板のレイアウトを基板CADで作るというケースも多いため、DXFで補強板ファイルを作成できないかという質問も聞きます。どうしてもダメということはありませんが、やはり基板の製造ファイルが拡張ガーバーであれば補強板ファイルも拡張ガーバーで作成していただくのが望ましいです。

ファイル形式を統一した方が良い理由

なぜ基板の製造ファイルと補強板ファイルの形式が同じ方が良いかというと、その方が製造時の誤りを防ぎやすいためです。その理由の詳しい説明には、P-Flex™️の製造方法が関わってきます。

現在エレファンテックの製造工程では、補強板をカットして基板に貼り付ける方法が2種類あります。一つはまず補強板を基板に貼り付けてから二つをまとめてレーザーカットする方法で、もう一つは補強板のみをレーザーカットしてから手で基板に貼り付ける方法です。

貼り付けてからカットする方法では、補強板を必要な箇所にぴったり精度良く貼り付けられる一方で、材料が無駄になりコストが上がるという欠点があります。逆に、先にカットしてから貼り付ける方法だと、材料が無駄にならず工数も少ないためコストを抑えることができます。

そのためエレファンテックでは、精度が必要になるコネクタ部の補強板は先に貼り付けてからカットし、その他の補強板はカットしてから貼り付けるという方法を取っています。

この製造方法がファイル形式とどう関係するのでしょうか。

コネクタ部の補強板を製造する際にファイル形式が統一されていないと、レーザーカッター用のファイル形式に変換した後、基板外形のファイルと補強板ファイルの位置合わせをする必要ができてしまいます。ファイル形式によって表現できる位置情報や精度が異なったりするためです。また、単純に工数が増えるためにコストが上がってしまうという問題もあります。

逆に位置合わせの必要がないコネクタ部以外の補強板については、実はファイル形式は大きな問題ではありません。

問題が起きることは多くありませんが、余計なトラブルを避けるためにもコストを下げるためにも、ファイル形式を統一した方が良いということがお分かりいただけたでしょうか。




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