フレキシブル基板 P-Flex™ 製造仕様

P-Flex™仕様書 v5.0.5 準拠

製造仕様と各種特性

製造仕様

基材 透明耐熱 PET フィルム 50 µm 厚, 125µm 厚
PI(ポリイミド)フィルム 25 µm 厚
最小パターン幅/間隔(L/S) 200/200 μm(200/150 μmは追加費用・納期で対応)
最小穴径 1.0 mm
外形-パターン最小間隔

標準精度:0.5 mm

高精度:0.3 mm

銅膜厚 3 μm(6µm は特殊仕様として対応)
最大外形サイズ 180 × 270 mm
配線層 片面のみ
レジスト塗布 UVインクジェット印刷方式(緑色)
シンボル印刷 UVインクジェット印刷方式(黒色)
表面処理 酸化防止処理、無電解 Ni-Au めっき(追加費用・納期で対応)
外形加工 レーザーカット対応
穴加工 レーザーカット対応
補強板 コネクタ部の厚み指定が必要な場合、補強フィルムにより 総厚 200µm コネクタ, 300µm コネクタに対応
部品実装部等は厚さ 0.1, 0.3, 0.5, 1.0, 1.6mm の FR-4 板により対応
その他応相談
検査 外観検査 + オープンショートテスト

* 上記以外の製造仕様で製造を希望される際は別途ご相談ください

層構成

P-Flex™ PET 及びP-Flex™ PI の層構成を下図に示します。この厚みは参考値であり保証値ではありません。基本的な層構成は左図に示す通りです。

P-Flex™ PET の基材は厚いものの、銅箔やソルダレジストのための接着層がないため、総厚では基材 25µm 厚さのフレキシブル基板と同程度です。P-Flex™ PI はさらに基材厚が薄い 25µm を使用しています。

ニッケル金めっきと FR-4 補強板、補強フィルムはオプションとなっております。これらのオプションを盛り込んだ層構成を右図に示しています。補強フィルムは部品実装部分の補強板としてだけでなく、200µm 及び 300µm 厚み指定のコネクタ部分の裏板に使うこともできます。

P-Flex™の層構成
P-Flex™ の層構成

各種特性

銅膜厚公差 指定膜厚を下回らないこととする
シート抵抗 6.7 mΩ / Sq(銅膜厚 3 μm 時)、銅膜厚に反比例
連続使用温度 -20 ~ +105°C
リフロー耐熱 PET: 200℃ 5 秒
PI: 260℃ 10 秒

* ここで規定する銅膜厚の測定は、銅の膜厚を製品と同一ワーク上のテストパターンの電気抵抗値から算出する方法で確認しております。その際、無電解銅箔の体積抵抗値を 2.0×10-8 Ωm としています。

許容電流参考データ

許容電流値の参考となる電流値と温度上昇の関係を示したデータは下図の通りです。銅膜厚は 3µm のものです。ただし各値は参考値であり保証値ではありません。

試験方法としては、室温雰囲気から所定の上昇温度(+10 ~ +40℃)となるように電圧を印加し、その際の電流値を記録しました。電流を流す際は、左右の固定冶具に試験片で橋渡しをする形で設置し、計測部には何も接触させず、かつ空調などの風が当たらないような覆いをし、発熱における自然対流のみが発生する状況としました。

導体幅と各上昇温度における電流値の関係(全体図)
導体幅と各上昇温度における電流値の関係(全体図)
導体幅と各上昇温度における電流値の関係(拡大図)
導体幅と各上昇温度における電流値の関係(3μm 銅膜厚)

耐屈曲性参考データ

耐屈曲性の参考データは下表の通りです。銅膜厚は 3µm のものです。ただし、値は参考値であり、保証値ではありません。
試験方法は JPCA UB-1「フレキシブルプリント配線板 耐屈曲性試験方法 高速」に準ずるもので、試験試料の配線幅は 0.5mm、屈曲速度は 1 秒間に 10 回としています。

耐屈曲性参考データ
基材 屈曲半径 R [mm] 動作試験済みの屈曲回数
PET 5 2000 万回

最小曲げ半径参考データ

金型等で FPC に折り目を付ける場合の、最小曲げ半径の参考データは下表の通りです。銅膜厚は 3µm、基材は PET です。ただし、値は参考値であり、保証値ではありません

最小曲げ半径参考データ
最小曲げ半径 R [mm] 0.5

耐マイグレーション参考データ

耐マイグレーション性の参考データは下表の通りです。ただし、値は参考値であり、保証値ではありません。テストパターンは 0.5mm 間隔の櫛形電極で、基材は PET、印加電圧は 50V です。

シード層に銀を用いておりますが、その後無電解めっきで全面銅コートされておりますため、銀のイオンマイグレーションは原則として発生しません。

耐マイグレーション参考データ
条件 マイグレーション観測
85°C 85% Rh 1440 時間 観測なし

RoHS, REACHについて

弊社が標準で出荷する製品は全て RoHS 指令に対応しております。また、REACH 規制の高懸念物質候補リスト(SVHC)に掲載されている物質を含有しておりません。必要に応じて RoHS, REACH の不含有証明書を発行できますので、お問い合わせ下さい。

UL 認証について

UL94(難燃規格)の適合試験を行っており、結果は下記の通りです。

基材 UL94
PI VTM-0 相当(認証番号取得中)
PET 該当なし

パターン引き剥がし強度参考データ

基材 - 銅パターン間の引き剥がし強度の参考データは下表の通りです。ただし、テープピール試験は JIS-K5600(クロスカット法)に基づくものです。

基材 引き剥がし強度
PI テープビール試験通過
PET テープビール試験通過

製造基準と返品規定

一般寸法公差

一般寸法公差は下表の通りとします。

離れた 2 つのパターン間の距離や線の長さなど、任意の 2 点間の距離は全てこの一般寸法公差を持ちます。さらにパターン幅の広がりや外形寸法、裏板位置など特定のパラメータについては別途基準を設定しています。

ただし、指定寸法に対して測長機による全品測長検査を行っているわけではありません。もし測長検査をご希望の場合は別途ご相談下さい。

一般寸法公差表
距離 一般寸法公差
200mm 未満 ±0.5% と ±0.05mm のいずれか大きい方の値
200mm 以上 ±0.3% と ±1.0mm のいずれか大きい方の値

パターンの広がり・欠け・ピット・浮き上がりについて

導電パターンはインクジェット印刷と無電解銅めっきを用いるためパターンの広がりや欠け、まためっき時のピット(気泡痕)や浮き上がりが発生することがあります。なお、めっき時に発生したピットの周囲に若干のめっきムラ模様が発生しますが、この部分はピット量として含みません。これらの許容値は、設計寸法の幅方向に対する長さで下表の通りとします。

製品に実用上の不都合がある場合、この許容値によらず除外します。

パターンの広がり及び欠け等
パターンの広がり及び欠け等の説明図
パターンの広がり及び欠け等の許容値
項目 許容値
広がり 設計寸法の 1/3 以下
欠け / ピット / 浮き上がり 合計で設計寸法の 1/3 以下または 0.1mm のいずれか大きい値

パターン断線と短絡

製造仕様に定義された最小パターン幅以上の幅を持つ部分では断線が無いこと、同様に最小パターン間隔以上の間隔を持つ部分では短絡がないこととします。

インク飛沫

インクジェットにより導電インクを塗布する製造工程上、下図のようなインク飛沫が発生します。

インク飛沫
インク飛沫

インク飛沫によりパターン間のショートがないことに加えて、パターン上の任意の点から別のパターンまでの最短距離を結ぶ線上において、インク飛沫についての許容値は下表の通りとします。

インク飛沫の許容値
項目 許容値
最大長さ max(L) 線間距離の 1/3 以下
合計長さ L1+L2+…LN 線間距離の 1/2 以下
飛沫個数 N 線間距離 0.2mm ごとに最大 5 個

欠損について

その他欠損の許容値については下表の通りとします。

その他欠損とその許容値
項目 許容値
異物 最大長 1mm 以下、ただし複数の導体部または非導体部にかかる異物が無いこと
気泡 最大長 1mm 以下、ただし複数の導体部または非導体部にかかる気泡が無いこと
断線又は短絡が発生しないこと

ソルダレジストについて

ソルダレジストには、実用上問題のある剥がれやピンホールがないものとします。ソルダレジストの飛沫については、製造仕様のインク飛沫の許容値を準用します。導電パターンとソルダレジストの印刷位置ずれ、ソルダレジスト広がりついては、パッドが完全に隠れるなどの実用上の問題の無い範囲で、パターンとの位置ずれの許容値を下表の通りとします。ただし、ソルダレジスト広がり(Broadening of solder resist)は下図の通りです。

ソルダレジストの広がり
ソルダレジストの広がり

また、ソルダレジストには広がりと位置誤差があるため、それを織り込んで余裕を持った設計をする必要があります。良い例と悪い例を下図に示します。開口部より一回り大きく銅パターンを設計しておくことで、ずれや広がりが起きても期待したパッドサイズが得られます。

ソルダレジストデザインの良い例・悪い例
ソルダレジストデザインの良い例・悪い例

シンボルについて

実装作業の補助となる表示をするための文字印刷で「シルク印刷」などとも呼ばれます。パターンとの位置ずれの許容値は下表(回路パターン以外の位置や寸法精度に関する公差)の通りとします。

また、シンボルがパッド(銅パターンとソルダレジストの開口部の重なる部分)と被ると部品実装時に実装不良となる可能性が高いため、下図の通りパッドの周囲 0.5mm のシンボルは印刷されません。ただし、意図的にパッドとシンボルを被せたい場合など、別途指示がある場合はその限りではありません。

シンボルとパッドの被り除去
シンボルとパッドの被り除去

外形寸法について

外形や穴の部分のカットはレーザーカットを用いております。外形部と外形部までの距離や外形部とパターンまでの距離は下表(回路パターン以外の位置や寸法精度に関する公差)に示す通りとなります。また、外形線とパターンが 0.5mm 以上離れている ことをご確認下さい。外形はレーザーカットにより加工するため、レーザーカット部とパターンが近い とパターンが焼けたり露出してしまったりする危険性があります。カット精度の「高精度」オプションを 選んだ場合は、外形線とパターンが 0.3mm 以上離れていることをご確認下さい。

特に精度が必要なコネクタ部はコネクタ部特殊仕様についてに示す通り作成可能ですので別途お問い合わせください。

補強板について

補強板は一般的に部品実装部の曲がり防止とコネクタ端子部の厚み合わせのために用いられます。補強板は目視による位置合わせの上貼り合わせを行うため、シンボル印刷や回路パターンの一部を使い貼り付け位置を明示してください。外形部やシンボルと補強板のずれの許容値は下表(回路パターン以外の位置や寸法精度に関する公差)の通りとします。最小の補強板幅は 5mm とします。

外形寸法同様、コネクタ部など特に精度が必要な部分がある場合はコネクタ部特殊仕様についてに示す通り作成可能ですので別途お問い合わせください。

回路パターン以外の位置や寸法精度に関する公差
項目 許容値
パターン – ソルダレジスト間 ±0.2 mm
パターン – シンボル間 ±0.7 mm
外形サイズ ±0.3% または ±0.5 mm のどちらか大きい方
外形 – パターン間

標準精度:±0.3% または ±0.5 mm のどちらか大きい方

高精度:±0.3% または ±0.3 mm のどちらか大きい方

外形もしくはシンボル – 補強板間 ±0.7 mm
ソルダレジスト広がり 0.1 mm

コネクタ部特殊仕様について

コネクタ部など特に外形寸法や補強板の位置合わせに高精度が必要な場合、オプション対応にて下表の通りの許容値で製造することが可能です。例えば 1.0mm ピッチのコネクタの場合 ±0.12mm 程度、 0.5mm ピッチのコネクタの場合 ±0.07mm 程度の外形公差が推奨されますが、本特殊仕様にて製造可能です。

外形サイズの許容値が±0.05mm など、更に要求精度の高いコネクタに使用される場合はご相談の上対応させていただきます。

また、コネクタ部特殊仕様が適用される箇所においても、外形部とパターンは 0.3mm 以上離れている ことをご確認ください。

コネクタ部向け特殊仕様
項目 許容値
外形サイズ ± 0.07 mm
外形 – パターン間 ± 0.07 mm
コネクタ部の寸法
コネクタ部の寸法

返品、交換規定

上記製造基準を満たさないものについて無償交換いたします。納品後 30 日以内に製品添付の連絡先に不良の旨のご連絡をお願いします。

最新改定履歴

v5.0.5

2018年8月9日更新

  • 外形-パターン間及び外形の寸法公差に高精度オプションを追加
  • コネクタ部特殊仕様の図を英語に変更

v5.0.4

2018年8月8日更新

  • 外形-パターン間及び外形の寸法公差を「±0.3% または ±0.5 mm の どちらか大きい方」に変更

v5.0.3

2018年8月2日更新

  • 各種特性のシート抵抗の値を変更
  • 銅膜厚の計測方法を記載

v5.0.2

2018年7月5日更新

  • 誤字を修正

v5.0.1

2018年7月2日更新

  • 誤字を修正

v5.0.0

2018年7月2日更新

  • PI の仕様を追加
  • 指示書による図面データ入稿に対応
  • FR-4 補強板の種類を追加

v4.2.0

2018年6月25日更新

  • 標準仕様について RoHS、REACH 対応を記載
  • 入稿ファイル形式に DXF、PDF、CADLUS を追加
  • ソルダーレジストの開口部の推奨設計方法の説明を追加
  • 動作試験済みの耐屈曲回数(R=5)を 2000 万回に更新
  • 銅箔の密着性の参考値を記載
  • 金めっき厚を 0.03µm に変更
  • 金めっき処理をソルダーレジストの開口部のみ変更
  • 外形部とパターンのギャップを 0.3mm に変更
  • ソルダーレジストが無い部分のパターン上のシンボルは、印刷しないように変更
  • 一般寸法公差について変更
  • 外形寸法公差について変更
  • FAQ を削除し WEB の FAQ に統一

v4.1.0

2018年2月14日更新

  • 補強板について 0.5mm ガラスエポキシ板対応
  • 耐屈曲性データを更新

v4.0.0

2017年12月11日更新

主要な変更点は、標準の基材厚が 125μm から 50μm になった点です。これにより耐屈曲性が大幅に向上し、P-Flex™️をご利用いただける用途が更に広がりました。詳細についてはプレスリリースをご覧ください。なお、今回の仕様変更に伴う価格の変更はありません。

  • 製造仕様の標準基材を変更
  • 補強板を変更
  • 層構成の説明を追加
  • 耐屈曲性参考データを変更
  • 最小曲げ半径参考データを追加
  • 125 μm 時の折れ性参考データを削除
  • 耐折り曲げ性、耐屈曲性に関する質問と回答を変更
  • 最小パターン間隔 150 μm をご相談により対応可能に変更
  • 銅膜厚 6 μm をご相談により対応可能に変更
  • 連続使用温度上限を 100°Cに変更
  • 許容電流値参考データを追加
  • データ入稿仕様に補強板に関する説明を追加
  • 入稿時の注意点に外形線のデータ出力の説明を追加
  • 入稿時の注意点に補強板ご利用時のシンボル印刷の説明を追加
  • 外形線とパターンの最小距離の説明図を追加
  • 一般寸法公差を変更
  • パターンの広がりの許容値を変更
  • パターンの欠けの許容値に、ピットや浮き上がりを追加
  • パターンの欠け、ピット、浮き上がりの許容値を変更
  • パターンとシンボル間のズレの許容値を新設
  • 外形サイズの寸法許容値を新設
  • 外形とパターン間のズレの許容値を新設
  • 外形もしくはシンボルと補強板間のズレの許容値を新設
  • コネクタ部特殊仕様を新設
  • マイグレーション特性の試験条件を追記

※本ページの内容と仕様書との内容に差異がある場合には、仕様書の内容を適用します。

フレキシブル基板 P-Flex™ ダウンロード一覧

技術文書

名称 ファイルサイズ 最終更新日
P-Flex 仕様書 v5.0.5 923.4 KB 2018年8月10日 ダウンロード
ワンストップ試作サービス 注文仕様書 v1.1.0(エクセル形式) 24.6 KB 2018年8月10日 ダウンロード
P-Flex Specifications (English edition) v5.0.0 914.5 KB 2018年8月3日 ダウンロード
P-Flex 検査仕様書 v1.0.0 216.8 KB 2018年8月3日 ダウンロード
One-stop Prototype Making Service Brochure 631.3 KB 2018年8月2日 ダウンロード
ワンストップ試作サービス 部品表(エクセル形式) 16.3 KB 2018年8月1日 ダウンロード

パンフレット

名称 ファイルサイズ 最終更新日
P-Flex(PET と PI)と一般的な FPC との比較表 79.5 KB 2018年8月3日 ダウンロード
P-Flex 用途別ガイド - センサモジュール 1.1 MB 2018年8月3日 ダウンロード
P-Flex 用途別ガイド - フレキシブルプロダクション方式 1.2 MB 2018年8月3日 ダウンロード
P-Flex ワンストップ試作サービス 316.1 KB 2018年8月3日 ダウンロード