フレキシブル基板(FPC) P-Flex™ 製造仕様

製造仕様と各種特性

製造仕様

基材 透明耐熱PETフィルム 50 µm厚(125 µm厚は特殊仕様として対応)
最小パターン幅/間隔(L/S) 200/200 μm(200/150 μmは追加費用・納期で対応)
最小穴径 1.0 mm
外形-パターン最小間隔 0.5 mm
銅膜厚 3 μm(6 µm は応相談)
最大外形サイズ 180 × 270 mm
配線層 片面のみ
レジスト塗布 UVインクジェット印刷方式(緑色)
シンボル印刷 UVインクジェット印刷方式(黒色)
表面処理 酸化防止処理、無電解 Ni-Au めっき(追加費用・納期で対応)
外形加工 レーザーカット対応
穴加工 レーザーカット対応
補強板 厚さ238 umの粘着PETフィルムにより対応(総厚300 µm程度)、その他応相談
検査 外観検査 + オープンショートテスト

* 上記以外の製造仕様で製造を希望される際は別途ご相談ください

層構成

P-Flex™の層構成を下図に示します。この厚みは参考値であり保証値ではありません。基本的な層構成は左図に示す通りで、基材は厚いものの、銅箔やソルダレジストのための接着層がないため、総厚では基材25 µm厚さのフレキシブル基板と同程度です。

ニッケル金めっきと補強板(補強PETフィルム)はオプションとなっており、全て合わせると312 µm程度です。導体表面から補強板までの厚みは292 µmとなっていて、部品実装部分の補強板としてだけでなく、300 µm厚み指定のコネクタ部分の裏板に使うこともできます。

P-Flex™の層構成
P-Flex™の層構成

各種特性

銅膜厚公差 指定膜厚を下回らないこととする
シート抵抗 5 mΩ/ Sq(銅膜厚 3 μm 時)、銅膜厚に反比例
連続使用温度 -20~+100°C
最大瞬間耐熱 200°C 5 秒

許容電流参考データ

許容電流値の参考となる電流値と温度上昇の関係を示したデータは下図の通りです。ただし各値は参考値であり保証値ではありません。

試験方法としては、室温雰囲気から所定の上昇温度(+10~+40℃)となるように電圧を印加し、その際の電流値を記録しました。電流を流す際は、左右の固定冶具に試験片で橋渡しをする形で設置し、計測部には何も接触させず、かつ空調などの風が当たらないような覆いをし、発熱における自然対流のみが発生する状況としました。

導体幅と各上昇温度における電流値の関係
導体幅と各上昇温度における電流値の関係
導体幅と各上昇温度における電流値の関係(拡大図)
導体幅と各上昇温度における電流値の関係(拡大図)

耐屈曲性参考データ

耐屈曲性の参考データは下表の通りです。ただし、各値は参考値であり、保証値ではありません。試験方法はJPCA UB-1「フレキシブルプリント配線板 耐屈曲性試験方法 高速」に準ずるもので、試験試料の配線幅は0.5mmとしています。

耐屈曲性参考データ
屈曲半径 R [mm] 抵抗値 1.2 倍となるまでの屈曲回数
5 320,000

最小曲げ半径参考データ

金型等でFPCに折り目を付ける場合の、最小曲げ半径の参考データは下表の通りです。ただし、値は参考値であり、保証値ではありません

最小曲げ半径参考データ
最小曲げ半径 R [mm] 0.5

耐マイグレーション参考データ

耐マイグレーション性の参考データは下表の通りです。ただし、各値は参考値であり、保証値ではありません。テストパターンは 0.5mm 間隔の櫛形電極で、印加電圧は 50V です。

シード層に銀を用いておりますが、その後無電解めっきで全面銅コートされておりますため、銀のイオンマイグレーションは原則として発生しません。

耐マイグレーション参考データ
条件 マイグレーション観測
85°C 85% Rh 1440 時間 観測なし

製造基準と返品規定

一般寸法公差

一般寸法公差は±0.3%もしくは±0.05 mmのどちらか大きい値とします。

離れた 2 つのパターン間の距離や線の長さなど、任意の 2 点間の距離は全てこの一般寸法公差を持ちます。さらにパターン幅の広がりや外形寸法、裏板位置など特定のパラメータについては別途基準を設定しています。

パターンの広がり・欠け・ピット・浮き上がりについて

導電パターンはインクジェット印刷と無電解銅めっきを用いるためパターンの広がりや欠け、まためっき時のピットや浮き上がりが発生することがあります。またソルダレジストもインクジェット印刷により形成するため同様の広がりや欠けが発生することがあります。これらの許容値は、設計寸法の幅方向に対する長さで下表の通りとします。ただし、製品に実用上の不都合がある場合、この許容値によらず除外します。

パターンの広がり及び欠け等
パターンの広がり及び欠け等の説明図
パターンの広がり及び欠け等の許容値
項目 許容値
広がり 設計寸法の1/3以下
欠け / ピット / 浮き上がり 合計で設計寸法の1/3以下または0.1mmのいずれか大きい値

パターン断線と短絡

製造仕様に定義された最小パターン幅以上の幅を持つ部分では断線が無いこと、同様に最小パターン間隔以上の間隔を持つ部分では短絡がないこととします。

インク飛沫

インクジェットにより導電インクを塗布する製造工程上、下図のようなインク飛沫が発生します。

インク飛沫
インク飛沫

インク飛沫によりパターン間のショートがないことに加えて、パターン上の任意の点から別のパターンまでの最短距離を結ぶ線上において、インク飛沫についての許容値は下表の通りとします。

インク飛沫の許容値
項目 許容値
最大長さ max(L) 線間距離の1/3以下
合計長さ L1+L2+…LN 線間距離の 1/2 以下
飛沫個数 N 線間距離 0.2mm ごとに最大 5 個

欠損について

その他欠損の許容値については下表の通りとします。

その他欠損とその許容値
項目 許容値
異物 最大長 1 mm 以下、ただし複数の導体部または非導体部にかかる異物が無いこと
気泡 最大長 1mm 以下、ただし複数の導体部または非導体部にかかる気泡が無いこと
断線又は短絡が発生しないこと

シンボルについて

実装作業の補助となる表示をするための文字印刷で「シルク印刷」などとも呼ばれます。パターンとの位置ずれの許容値は下表(回路パターン以外の位置や寸法精度に関する公差)の通りとします。

外形寸法について

外形カットはレーザーカットを用いるため、外形部と外形部までの距離や外形部とパターンまでの距離は下表(回路パターン以外の位置や寸法精度に関する公差)に示す通り、一般寸法公差よりマイナス公差となります。また、外形線とパターンが0.5 mm以上離れていることをご確認下さい。外形はレーザーカットにより加工するため、レーザーカット部とパターンが近いとパターンが焼けたり露出してしまったりする危険性があります。

特に精度が必要な取り付け穴やコネクタ部などはコネクタ部特殊仕様についてに示す通り作成可能ですので別途お問い合わせください。

補強板について

補強板は一般的に部品実装部の曲がり防止とコネクタ端子部の厚み合わせのために用いられます。補強板は目視による位置合わせの上貼り合わせを行うため、シンボル印刷や回路パターンの一部を使い貼り付け位置を明示してください。外形部やシンボルと補強板のずれの許容値は下表(回路パターン以外の位置や寸法精度に関する公差)の通りとします。最小の補強板幅は5mmとします。

外形寸法同様、コネクタ部など特に精度が必要な部分がある場合はコネクタ部特殊仕様についてに示す通り作成可能ですので別途お問い合わせください。

回路パターン以外の位置や寸法精度に関する公差
項目 許容値
パターン – ソルダレジスト間 最大 0.2 mm
パターン – シンボル間 最大 0.7 mm
外形サイズ -0.20〜0 mm もしくは 一般寸法公差±0.3% のいずれか大きい値
外形 – パターン間 -0.10〜0 mm もしくは 一般寸法公差±0.3% のいずれか大きい値
外形もしくはシンボル – 補強板間 最大 0.7 mm

コネクタ部特殊仕様について

コネクタ部など特に外形寸法や補強板の位置合わせに高精度が必要な場合、オプション対応にて下表の通りの許容値で製造することが可能です。例えば1.0mmピッチのコネクタの場合±0.12mm程度、0.5mmピッチのコネクタの場合±0.07mm程度の外形公差が推奨されますが、本特殊仕様にて製造可能です。更に要求精度の高いコネクタに使用される場合はご相談の上対応させていただきます。

コネクタ部向け特殊仕様
項目 許容値
外形サイズ ± 0.07 mm
外形 – パターン間 ± 0.07 mm
外形 – 補強板間 最大 0.07 mm

返品、交換規定

上記製造基準を満たさないものについて無償交換いたします。納品後 30 日以内に製品添付の連絡先に不良の旨のご連絡をお願いします。ご連絡確認後、3 営業日中に出荷いたします。

最新改定履歴

2017年12月11日付でP-Flex™️の仕様をバージョン4.0に更新しました。

主要な変更点は、標準の基材厚が125 μmから50 μmになった点です。これにより耐屈曲性が大幅に向上し、P-Flex™️をご利用いただける用途が更に広がりました。詳細についてはプレスリリースをご覧ください。なお、今回の仕様変更に伴う価格の変更はありません。

また、標準基材厚の変更に伴い、下記の変更があります。

  • 製造仕様の標準基材を変更
  • 補強板を変更
  • 層構成の説明を追加
  • 耐屈曲性参考データを変更
  • 最小曲げ半径参考データを追加
  • 125 μm 時の折れ性参考データを削除
  • 耐折り曲げ性、耐屈曲性に関する質問と回答を変更
  • 最小パターン間隔 150 μm をご相談により対応可能に変更
  • 銅膜厚 6 μm をご相談により対応可能に変更
  • 連続使用温度上限を 100°Cに変更
  • 許容電流値参考データを追加
  • データ入稿仕様に補強板に関する説明を追加
  • 入稿時の注意点に外形線のデータ出力の説明を追加
  • 入稿時の注意点に補強板ご利用時のシンボル印刷の説明を追加
  • 外形線とパターンの最小距離の説明図を追加
  • 一般寸法公差を変更
  • パターンの広がりの許容値を変更
  • パターンの欠けの許容値に、ピットや浮き上がりを追加
  • パターンの欠け、ピット、浮き上がりの許容値を変更
  • パターンとシンボル間のズレの許容値を新設
  • 外形サイズの寸法許容値を新設
  • 外形とパターン間のズレの許容値を新設
  • 外形もしくはシンボルと補強板間のズレの許容値を新設
  • コネクタ部特殊仕様を新設
  • マイグレーション特性の試験条件を追記

フレキシブル基板 P-Flex™ ダウンロード一覧

技術文書

名称 ファイルサイズ 最終更新日
P-Flex™ 仕様書 951.2 KB 2017年12月13日 ダウンロード
P-Flex™ Specifications (English edition) 229.8 KB 2017年12月13日 ダウンロード
P-Flex™と一般的なポリイミドFPCとの比較表 111.5 KB 2017年12月13日 ダウンロード

パンフレット

名称 ファイルサイズ 最終更新日
P-Flex™ とは 2.1 MB 2017年12月13日 ダウンロード
P-Flex™ Brochure (English edition) 2.6 MB 2017年12月13日 ダウンロード
P-Flex™用途別ガイド - センサモジュール 1.2 MB 2017年12月13日 ダウンロード
P-Flex™用途別ガイド - フレキシブルプロダクション方式 1.1 MB 2017年12月13日 ダウンロード