品質保証
品質試験[PET]
耐屈曲性試験の結果
ソルダレジストの標準の厚さを30μmに変更するに伴い、現在実験データを取得中です。
高温放置試験の結果
レジスト無し(前)
レジスト無し(後)
エレファンテックのP-Flex®に対して、JIS C 60068-2-2 [環境試験方法-電気・電子-第2-2部:高温(耐熱性)試験方法]に従い、高温放置試験を行いました。
高温放置試験は、試験片を一定時間、高温に放置することで、試験片の高温に対する信頼性を評価する試験です。
今回の高温放置試験では、試験片を105°Cに1000時間放置しました。そして、1000時間後においても、試験片の外観に異常はありませんでした。また、試験片の導体抵抗値に5%以上の変化、絶縁抵抗値やテープピールテストについても異常はみられなかったことを確認しています。
試験後は、銅の表面酸化により変色はしているものの、導体浮き(デラミネーション)や膨れ、しわ、き裂、めっき破断などの外観上の変化も認められませんでした。
熱衝撃(低温・高温)試験の結果

レジスト無し(前)

レジスト無し(後)
エレファンテックのP-Flex®に対して、JIS C 5016 [フレキシブルプリント配線板試験方法]9.2[熱衝撃(低温・高温)]に従い、熱衝撃(低温・高温)試験をしました。
熱衝撃試験は、試験片に対して、低温と高温を一定時間、交互に繰り返し与えることで、試験片の信頼性を評価する試験です。
今回の冷熱サイクル試験では、低温側の-65°Cに30分放置後、高温側の125°Cに30分間放置し、これを交互に100サイクル実施しました。
100サイクル後においても、試験片の外観に異常はありませんでした。また、試験片の導体抵抗値、絶縁抵抗値、テープピールテストについても異常はみられなかったことを確認しています。
試験後は、銅の表面酸化により変色はしているものの、導体浮き(デラミネーション)や膨れ、しわ、き裂、めっき破断などの外観上の変化も認められませんでした。
高温高湿下でのマイグレーション試験結果

従来の弊社FPC(銅めっきなし)
マイグレーションによる短絡が見られる

P-Flex®
マイグレーションによる短絡は見られない
従来、金属ナノ粒子を印刷することにより製造された配線は高温高湿耐性に劣るというという課題がありましたが、P-Flex®はそれを克服しました。
金属ナノ粒子を印刷した後、化学処理及び銅めっきを施すことにより、イオンマイグレーションを抑制しています。
85°C 85%RH, 導体間隔0.5mmの櫛形電極, 印加電圧50Vにて1440時間の試験を行い、イオンマイグレーションによる短絡が無いことを確認しています。
ピールテスト


エレファンテックでは、基材へのインクの密着性、無電解めっきによる銅パターンの密着性、ソルダレジストの基材及び銅パターンへの密着性を、JIS K 5600[塗料一般試験方法]5-7[付着性(プルオフ法)]に従い実験をしています。2mm間隔で格子状の切れ込みを入れ、指定のテープを貼ったあと、60度に近い形で一気に引き剥がします。
全ての格子が剥がれずに残った場合に合格とし、それ以外を不合格としています。
品質試験[PI]
耐屈曲性試験の結果
[1]耐屈曲性試験
JPCA UB-01「フレキシブルプリント配線板 耐屈曲性試験方法 高速」に準ずる方法で耐屈曲性試験を行い、4,490万回までのデータを取得しました(n=6)。
判定閾値である、導体抵抗上昇率10%に到達するまで3,300万回以上をクリアしました。また、パターン剥がれ、割れ等も発生しませんでした。
1.試験試料および試験条件
試験片をU字型に曲げ、間隔を一定に保った2枚の板に貼り付けています。片側の板を固定し、反対側を動かすことによって、一定の曲率を保ったまま摺動することができます。試料の導体抵抗を測定し、導体抵抗の変化を観察します。

屈曲速度 :300回/分
屈曲半径(r) :5mm
摺動距離(l) :22mm
2.初期からの摺動回数による抵抗値変位率推移

[2]MIT試験
(1)UL796F規格の評価項目の一つである「繰り返し屈曲性試験(Repeated Flexing Test)」に準ずる耐屈曲性試験を行いました。
試験後は導体浮き(デラミネーション)や膨れ、しわ、き裂、めっき破断などの変化は発生しませんでした。
1.試験方法
屈曲性試験機に固定したサンプルを下図のように動かします。
②→①→③→①を繰り返します。
2.試験条件
UL試験(参考) | 本試験 | |
---|---|---|
折り曲げクランプの半径[mm] | 6.5 | 5.0 |
折り曲げクランプのクリアランス [mm] | 0.8 | 0 |
引張荷重 [gf] | 225±14 | 225 |
折り曲げ角度 [deg] | 180 | 180 |
試験速度 [rpm] | 30 | 30 |
折り曲げ回数 [回] | 50 | 150 |
(2)JPCA-UB01に定める耐折性試験を行いました。いずれのサンプル(n=8)も1500回以上をクリアしました。
1.試験サンプルと試験装置
①P-Flex® PI (層構成:PI基材25μm+カバーレイ:PIフィルム12.5μm)
②配線パターン:w/s=1.0mm/1.0mm、n=6本、y=15mm

③試験装置:マイズ試験機製

2.試験手順
①屈曲条件
速度 :175rpm
角度 :±135°
荷重 :4.9N
屈曲半径:0.38mm
②導体の抵抗値を連続的に測定(抵抗値100Ω以上で断線判定)
③サンプル数:8p
3.試験結果(断線到達回数)
Sample | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 平均 |
回数 | 3,748 | 2,571 | 5,806 | 4,780 | 2,715 | 2,365 | 2,420 | 1,590 | 3,249 |

高温放置試験の結果
JIS C 60068-2-2[環境試験方法-電気・電子-第2-2部: 高温(耐熱性)試験方法]に定める環境条件にて高温放置試験を行いました(n=4)。
試験後は初期値から10%を越える導体抵抗値の変化や著しい形状変化は発生しませんでした。
1.試験サンプルと試験条件
①P-Flex® PI (層構成:PI基材25μm+カバーレイ:PIフィルム12.5μm)
②配線パターン:w/s = 0.2mm / 0.2mm

③試験装置:定温乾燥機 OFW-600B アズワン株式会社製
④温度: 125±3℃
⑤時間: 232hr
2.試験結果
(1) 抵抗値変動 :合格
試験前[Ohm] | 試験後[Ohm] | 抵抗値変化率 | |
---|---|---|---|
Sample1 | 16.34 | 16.43 | 0.6% |
Sample2 | 16.23 | 16.27 | 0.2% |
Sample3 | 16.30 | 16.32 | 0.1% |
Sample4 | 16.38 | 16.44 | 0.4% |
(2) 形状・剥離確認 :合格
試験前

試験後

HAST試験の結果
JPCA-UB01(2017) 8.5高加速寿命試験(HAST)に定める条件に従ってHAST(High Accelerated Stress Test)試験を実施しました(n=5)。
試験中のマイグレーション起因とみられる連続通電時抵抗値の変化や試験後の抵抗値の変化および外観異常は発生しませんでした。
1.試験サンプルと試験条件
①P-Flex® PI (層構成:PI基材25μm+カバーレイ:PIフィルム12.5μm)
②サンプル形状:JPCA 6.4.5-4準拠
w/s=0.20mm/0.20mm
S1=S2=1.35mm, P1=5.0, P2=3.8, Y1=10.6

③試験装置:高度加速寿命試験装置(エスペック(株)EHS-411MD)
④温湿度: 110℃, 85%RH
⑤印加電圧: DC 100V
⑥試験時間:192H
2.試験結果
(1) 連続通電時抵抗値推移

連続通電時抵抗の不良判定値1E+06Ωを下回る抵抗値変動発生無し
(2) 静的抵抗値
試験前・試験後にサンプルに絶縁抵抗計を当てて測定し、不良判定値の 1E+08 Ω を下回る抵抗値変動発生無し
(3) 外観
(試験前)

(試験後)

マイグレーションとみられる外観異常発生無し
低温放置試験の結果
エレファンテックのP-Flex®に対して、JIS C 60068-2-1の[環境試験方法-電気・電子-第2-2部:低温(耐寒性)試験方法]に従い、低温放置試験を行いました。
低温放置試験は、試験片を一定時間、低温に放置することで、試験片の低温に対する信頼性を評価する試験です。
今回の低温放置試験では、試験片を-20℃に1000時間放置しました。そして、1000時間後においても、試験片の外観に異常はありませんでした。また、試験片の導体抵抗値、絶縁抵抗値についても異常はみられなかったことを確認しています。
試験後は、導体浮き(デラミネーション)や膨れ、しわ、き裂、めっき破断などの外観上の変化も認められませんでした。
高温浸せき試験の結果
JPCA-UB01(2017) 8.2.2 高温浸せきに定める条件に従って試験を実施しました。
試験後は初期値から20%を越える導体抵抗値の変化や導体浮き(デラミネーション)や膨れ、しわ、亀裂、めっき破断などの外観上の変化も認められませんでした。
1.試験サンプルと試験条件
①P-Flex® PI (層構成:PI基材25μm+カバーレイ:PIフィルム12.5μm)
②配線パターン:w/s = 0.2mm / 0.2mm

③試験装置:丸型オイルバス 型式:M104-2S
増田理化工業株式会社
④低温条件:
a)浸漬液 :2-プロパノール
b)温度: 20±15 ℃
c)さらし時間 :3~5秒
⑤高温条件:
a)浸漬液: シリコーンオイル
b)温度: 260±5 ℃
c)さらし時間 : 20秒
⑥試験開始位置:高温側から
⑦移送時間:15秒以内
⑧サイクル数:5サイクル
2.試験結果
高温浸漬 5サイクルで下記項目の異常無し
(a) 導体抵抗値の変化 (判定閾値:変化率20%以上)
sample | 初期抵抗値[Ω] | 高温浸漬後抵抗値[Ω] | 高温浸漬後変化率[%] |
---|---|---|---|
1 | 14.83 | 14.81 | -0.13% |
2 | 14.94 | 14.90 | -0.30% |
3 | 14.84 | 14.87 | 0.20% |
4 | 15.06 | 15.03 | -0.23% |
(b) 外観変化
導体浮き、膨れ、シワ、亀裂、めっき破断、パッド剥がれ発生無し
(c) サンプル状態
(試験前)

(試験後)

耐薬品性試験の結果
試験前

レジストなし

レジストあり
試験後

レジストなし

レジストあり
エレファンテックのP-Flex® PIに対して、JIS C 5016 [フレキシブルプリント配線板試験方法]10.5[耐薬品性]に従い、試験をしました。
耐薬品性試験は、試験片を酸、アルカリ、アルコール溶液に浸すことで、試験片の信頼性を評価する試験です。
今回の耐薬品性試験では、酸として、2mol/L の塩酸水溶液、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液、アルコールとして、2-プロパノールに5分間±30秒間浸し、その後、外観をチェックしました。5分間、酸、アルカリ、アルコールに浸しても、試験片の外観に異常はありませんでした。
試験後は、銅の表面銅の表面酸化により変色はしているものの、導体浮き(デラミネーション)や膨れ、しわ、き裂、めっき破断などの外観上の変化も認められませんでした。
マイグレーション試験の結果
JPCA UB-01「耐マイグレーション性試験」に基づく絶縁劣化評価試験を実施しました。
導体間隔0.2mmの櫛形電極に対して、85℃、85%RH、印可電圧DC100Vで360時間の試験を行い、イオンマイグレーション試験による短絡が無いことを確認しました。
1.試験装置
恒温恒湿試験機(エスペック(株)LHU-113)
2.試験条件
(1)環境条件:85℃, 85%RH
(2)印加電圧:DC100V
(3)試験時間:360H
(4)サンプル数:4p
3.試験片
(1)サンプル構成:P-Flex® PI

(2)サンプル形状:JPCA 6.4.5-4準拠
w / s = 0.20mm / 0.20mm
S1=S2=1.35, P1=5.0, P2=3.8, Y1=10.6

4.試験結果
(1)抵抗値推移

- マイグレーション発生無し
(2)サンプル状態
(試験前)

(試験後)

- マイグレーション、外部異常等無し
表面層耐電圧試験の結果
エレファンテックのP-Flex® PIに対して、C 5016[フレキシブルプリント配線板試験方法]7.5[表面層耐電圧]に従い、表面層耐電圧試験を行いました。
表面層耐電圧試験は、導体間に規定の電圧を規定の時間印可した後に、導体間の絶縁がその印可電圧に耐えられるか、信頼性を確認するための試験です。
今回の表面層耐電圧試験での試験条件は以下の通りです。
1.試験条件
JIS C 5016[フレキシブルプリント配線板試験方法]7.5[表面層耐電圧]準拠
印可電圧 | 500V(直流) |
印可時間 | 60s |
ギャップ幅 | 2.0, 1.5, 1.0, 0.5mm |
判断基準 | 機械的損傷、フラッシュオーバ(表面放電)、スパークオーバ(空中放電)、ブレークダウン(絶縁破壊)などの異常の有無 |
2.試験対象
下記のレジストあり試験片

異なるパターン間を有する試験片
3.試験結果
今回の表面層耐電圧試験では、異なるパターン間(d = 2.0, 1.5, 1.0, 0.5 mm)を有するエレファンテックのP-Flex® PI試験片に、500V(直流)の電圧を60秒間印可しました。試験後においても、試験片に機械的損傷、フラッシュオーバ(表面放電)、スパークオーバ(空中放電)、ブレークダウン(絶縁破壊)などの異常は確認できませんでした。
熱衝撃(低温・高温)試験の結果
JPCA-UB01(2017) 8.2. 熱衝撃試験に定める条件に従って試験を実施しました。
試験後は初期値から20%を越える導体抵抗値の変化や絶縁抵抗値の変化、および導体浮き(デラミネーション)や膨れ、しわ、亀裂、めっき破断などの外観上の変化も認められませんでした。
1.試験サンプルと試験条件
①P-Flex® PI (層構成:PI基材25μm+カバーレイ:PIフィルム12.5μm)
②配線パターン:
a)導体抵抗測定パターン:w/s = 0.2mm / 0.2mm

b)絶縁抵抗測定パターン: w/s = 2.5 mm / 1.0 mm

③試験装置:冷熱衝撃試験機
エスペック株式会社
④低温条件: -65 ± 3 ℃
⑤高温条件: 125± 3 ℃
⑥低温及び高温のさらし時間:各30分
⑦温度復帰時間:30秒以内
⑧繰り返し回数:100サイクル
⑨試験サンプル数:導体抵抗測定用 4p、絶縁抵抗測定用 3p
2.試験結果
冷熱サイクル 100サイクルで下記項目の異常無し
(a)導体抵抗値の変化
No. | 初期抵抗値[Ω] | 試験後抵抗値[Ω] | 試験後変化率 |
---|---|---|---|
1 | 14.84 | 14.87 | 0.20% |
2 | 15.07 | 15.08 | 0.07% |
3 | 15.00 | 15.02 | 0.13% |
4 | 15.11 | 15.12 | 0.07% |
(b)絶縁抵抗値の変化
No. | 初期絶縁抵抗値 | 試験後絶縁抵抗値 |
---|---|---|
1 | >20.99GΩ | >20.99GΩ |
2 | >20.99GΩ | >20.99GΩ |
3 | >20.99GΩ | >20.99GΩ |
※印加条件:500V,5sec
(c)外観変化
導体浮き、膨れ、シワ、亀裂、めっき破断、パッド剥がれ発生無し
(d) サンプル状態
(試験前)


(試験後)

