エレファンテック株式会社、常温硬化する一液式導電性接着剤「ノーソルダー」を販売開始
2016年8月5日

プリンテッド・エレクトロニクス技術を提供するエレファンテック株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:清水信哉、以下エレファンテック)が、常温硬化する一液式導電性接着剤「ノーソルダー」を発売致しました。
ハンダの代替品として、高温を避けたい部品の接着や、ハンダによる金属パターンの侵食を防止したい場合などに用いることができ、またプリンテッド・エレクトロニクス分野でも広く必要とされる材料であるため、このたび自社からの販売に踏み切りました。

電子回路や電子デバイスを印刷により製造するプリンテッド・エレクトロニクスは、これまでより遥かに低いコストで薄型のデバイスを製造することができる技術として期待されています。応用先はスマートホーム、ディスプレイ、ウェアラブル、自動車、航空機など多岐に渡り、2024年までに750億ドルの市場になると予想されています(※1)。

一方でプリンテッド・エレクトロニクス技術は、既存のエッチングなどの製造技術に比べて現状では技術的に劣る部分が多くあり、まだまだ多くの技術開発が必要とされています。

その一つがハンダ付けに代わる部品接着技術でした。特にインクジェットによる回路パターン印刷においては、印刷された金属の膜厚が非常に薄いため、ICチップなどをハンダ付けすると金属膜がハンダに侵食されてしまい、回路が壊れてしまうという課題がありました。それを解決するためにAgICでは、ハンダに代わって金属膜を侵食せずにICチップ等を電気的に接続できるような導電性の接着剤の研究を行ってきましたが、この度プリンテッド・エレクトロニクスの市場をさらに広げていくため、導電性接着剤の一般販売に踏み切りました。

今回発売する導電性接着剤は、金属を侵食しないだけでなく、ハンダと違い加熱せずとも常温で硬化するという特長を備えており、ポリエステルフィルムなど、価格は安いもののハンダの熱に耐えられないため電子回路には用いられていなかった素材への適用も見込めます。

さらに、ハンダと異なり、完全硬化後も柔軟性を失わないという特性も備えているため、繰り返しの曲げ衝撃にも強く、フレキシブルデバイスの可能性を広げます。

今回発売する導電性接着剤「ノーソルダー」は、事業者向けの接着剤単体での販売だけでなく、0.6ccの導電性接着剤にシリンジやニードルなど必要な道具が全て同梱された「お試しセット」としても販売致します。価格は2,000円(税別)で自社ECサイト (https://agic.stores.jp/) で販売し、Amazonなどでの販売も予定しております。

エレファンテックはこれまで、電気が通るペンといった技術的性能の要求されない用途から事業を開始し、技術の向上とともに産業用途への展開を進めてきており、現在では製造機械など高い信頼性が要求される分野での採用も始まっています。近く、お客様からお送り頂いた電気回路パターンデータを印刷して納品するオンデマンド回路印刷サービスの開始も予定しており、今回の導電性接着剤の一般販売と合わせて、プリンテッド・エレクトロニクス市場をよりオープンに拡大していきます。

(※1) 2014年11月 IDTechEx社 “Inorganic and Composite Printed Electronics 2014-2024”より