東大発ベンチャー AgIC、電子回路の大判印刷技術を発表
2015年3月17日
電子回路作成ツールの開発・製造を行う AgIC 株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:清水信哉、以下 AgIC)は、2015 年 3 月 15 日から 18 日まで米テキサス州オースティンで開催中のサウス・バイ・サウス・ウエスト・トレードショー(以下SXSW)にて、電子回路の大判印刷技術の確立と、その事業化を発表しました。
特殊な銀ナノ粒子インクを用いて専用紙に電子回路を印刷することで、これまで通常のプリント基板などでは難しかった大判サイズの回路の作成を安価に行えるという特長があります。
また、同時に印刷した回路を制御する専用のコントロールユニットの発表も行いました。電子回路を印刷した紙に同ユニットを接続することで、紙上の特定の箇所をタッチスイッチとして利用することができます。また、Bluetooth を内蔵するため、スマートフォンや PC からの操作にも対応予定です。
触ると光るポスター広告、壁紙と一体化した照明など、平面をインターフェースとして活用するあらゆる分野に応用可能な技術となっています。
印刷済み用紙の価格は 1030x1456mm の B0 サイズで 5-10 万円程度、専用コントロールユニットはリースによる提供を予定しています。また、必要に応じた回路設計・プログラム開発サービスも提供します。AgIC は、銀ナノインクのペンと専用紙で簡単に電子回路を描くことができ、家庭用のプリンタでも電子回路を印刷できる技術を応用し、日本と米国で製品を販売しています。
一方でプリンテッド・エレクトロニクス技術は、既存のエッチングなどの製造技術に比べて現状では技術的に劣る部分が多くあり、まだまだ多くの技術開発が必要とされています。
MESH Project
誰でも簡単に体験をデザインすることができるクリエイティブツール MESHを開発するプロジェクトです。
MESHはMake, Experience, Shareの略で、無線でつながる機能タグ(MESH Tags)とそれらをビジュアルで直感的にプログラミングできるキャンバス(MESH Canvas)から構成され、誰でも簡単に身近な物と組み合わせてインタラクティブな仕掛けを創り、体験することができることを特長とします。
SXSW では AgICと共同で、AgIC の大判印刷回路と、MESH タグと MESH キャンバスを組み合わせ、音と光によるインタラクティブなインスタレーション展示行い、ハードウェアやプログラミングの特別な知識がなくても作成することができることを提案しました。
MESH project: http://meshprj.com/
MESH は 3 月 6 日に Indiegogo でのクラウドファンディングで約 740 万円を調達し、現在同サイトにて事前予約を受付中です。https://www.indiegogo.com/projects/mesh-creative-diy-kit-for-the-connected-life
会社概要
名称 | AgIC 株式会社 |
代表 | 代表取締役 清水信哉 |
設立 | 2014 年 1 月 |
資本金 | 6,520万円(資本準備金含む) |
所在地 | 東京都文京区本郷4-1-3明和本郷ビル |
URL | http://agic.cc/ |
事業内容 | 電子回路のプロトタイピングツールの開発・製造 |