フレキシブル基板(FPC) P-Flex™とは

耐屈曲性に優れる薄型P-Flex™ 50μm フレキシブル基板

フレキシブル基板 P-Flex™の特長

P-Flex™は、耐熱PETにインクジェットプリンタで銀ナノインクを印刷し、その上から無電解銅めっきを形成する「プリントした銀の回路の上に銅メッキを重ねるという技術(ピュアアディティブ™法)」で製造されたフレキシブル基板(Flexible Printed Circuits)です。

これまでの電子回路は、フォトリソグラフィと呼ばれる、全面に金属を貼った上で不要な部分を溶かす、という製法で作られてきました。エレファンテックの開発したピュアアディティブ™法は、これまでとは全く逆の発想で、必要な部分にのみインクジェットで金属ナノ粒子を印刷し、さらに無電解めっき技術で金属を成長させるという独自の製造技術です。

その結果、従来製法で必要だった「版」が不要となり、材料、工程が削減され、大幅なコスト削減と納期の短縮化を実現しました。多品種小ロット生産や試作工程などに活用が期待されます。

型代ゼロ・コスト削減

これまで新しく基板を作る度に10万円~50万円の「フォトマスク(型)」費用がかかっていましたが、ピュアアディティブ™法ではインクジェットプリンタで印刷する、という製法により「フォトマスク(型)」が不要で型代ゼロを実現しました。

また「不要な部分の金属を削る」既存の製造方法に比べて、「必要な部分にだけ金属を積む」独自製造方法のピュアアディティブ™法により必要な材料費が削減され、少量生産ではコストを半分から5分の1に削減し、量産時でも省材料化によりコストメリットがあります。

リードタイム短縮・短納期

ピュアアディティブ™法で生産をすることにより、フレキシブル基板の製造工程を既存の製造方法に比べて2分の1にし、生産を高速化・リードタイムの削減・短納期を実現しました。

型保管・資産管理が楽

ハーネス・基板一体設計でセンサモジュール化することによって、図面も1個にすることができます。また、コネクタなどの部品点数が減ることによって、管理コストや調達コストを抑えることができるだけでなく、不良の原因や誤配線を減らし信頼性向上をはかることができます。

基板の部品点数削減をはかり、省スペースと量産コストも削減「型保管・資産管理が楽」になります。

設計変更柔軟性

完全な型レスで、ナノ金属プリンタによりパターニングを行うため、プリンタに送るデータを変更すれば、瞬時に製造ラインのパターンが変更可能。生産が始まってからでも、いつでも何度でも図面変更可能の「設計変更柔軟性(フレキシブルプロダクション方式)」でフレキシブルな製造を実現しました。

多品種少量化、オンデマンド化のグローバルトレンドに合致します。

環境にやさしい基板

ピュアアディティブ™法により、廃液量は10分の1以下の環境にやさしい基板。だからこそ、東京都中央区でも製造が可能な、まさに次世代型フレキシブル基板です。

薄型フレキシブル基板 P-Flex™の耐屈曲性について

これまでもP-Flex™は、完全な型レスを実現した次世代フレキシブル基板として、医療機器、製造機械、IoT機器など、様々な用途で利用されてきましたが、技術的な理由から、一般的なフレキシブル基板に比べて非常に厚いベースフィルム上にしかパターンを形成できませんでした。ベースフィルムが厚いことにより、耐屈曲性が乏しく、ヒンジ部など繰り返して折り曲げるような用途では利用できませんでした。

今回、独自の製造技術の進歩により、これまで製造・販売してきた125μmのフィルムより薄い、50μmのフィルム上へのパターン形成が可能になりました。これによって、基板総厚は80μm以下と、一般的なフレキシブル基板と同程度になり、繰り返して折り曲げるような用途でも利用することが可能になりました。

薄型フレキシブル基板 P-Flex™に関するデータ

基板総厚はこれまでの168μmから73μmとなりました。
基材厚は一般的なFPCよりは依然として厚いものの、接着層が無く、金属、ソルダレジストを直接印刷する形式であるため、総厚は同程度となっています。

フレキシブル基板 薄型P-Flex™に関するデータ

※厚みはいずれも参考値です。
※一般的なFPCの中にはこれよりも薄い製品もありますが、ここでは安価で一般的に出回っている3層CCLベースのFPCの例を挙げております。

耐屈曲性は、屈曲半径 R 5mmで900万回以上となりました。
特に既存のFPCに比べて耐屈曲性で有利というわけではなく、HDD可動部など特に厳しい条件での利用は困難ですが、電気製品のヒンジ部等では数十万回程度の屈曲で十分なものが多く、屈曲部への利用も可能となりました。

条件次第ではより多くの屈曲回数にも対応可能となりますので、具体的な条件(屈曲半径、配線パターンなど)など個別にお問い合わせ下さい。また、その他の条件についても、実験データを追加掲載していく予定です。

フレキシブル基板 最小折り曲げ半径

最小曲げ半径は0.5mmとなり、これまでの10分の1の曲げ半径での対応が可能となりました。

これにより、例えば金型でFPCに90度曲げを施すことも、R 0.5mm以上であれば可能となりました。

こちらも個別の条件次第ではより小さいRでの対応も可能となりますので、ご相談下さい。

フレキシブル基板 P-Flex™ と一般的なポリイミドFPCとの比較表

製法・素材 製造方法 ピュアアディティブ法
(インクジェット印刷+無電解銅めっき)
サブトラクティブ法
(銅張り積層板をエッチング)
基材 耐熱PET ポリイミド
利点 不要 必要
初期費用 不要 必要
納期 標準3日 7日〜
吸湿率 低い(0.1 〜 0.2 %)
吸湿による不良は原則的に発生しない
高い(2.0 〜 3.0 %)
欠点 配線層 片面1層のみ 1層〜8層
L/S 200 μm / 200 μm 50 μm / 50 μm 〜
銅膜厚 3 μm
(耐電流は 35 μm 品の 1/3 程度)
12 μm, 18 μm, 35 μmなど
リフロー温度 最大 200 °C 5秒
専用の低温はんだが必要
260 °C〜
一般的なはんだで対応可能
その他 耐屈曲性 屈曲半径 R=5mmで900万回以上
一度折りはR=0.5mm対応可
種類によって大きく異なる
連続耐熱 100 °C 80〜120 °C
車載用高耐熱品は150 °Cも
耐マイグレーション性 85 °C 85 % Rh 0.5 mm 50 V
1440 h 試験通過
左記と同程度
基材厚 50 µm(125 µmも特注対応可) 12.5 μm, 25 μmなど
補強板 対応 対応
表面処理 無電解金フラッシュ(ENIG)
酸化防止剤処理
無電解金フラッシュ(ENIG)
錫めっき、銀めっきなど多数

利用実績と応用分野

初期費用ゼロ・短納期の実現により、既存のフレキシブル基板の置き換えはもちろん、これまでフレキシブル基板を使えなかったところでも利用が広がっています。

利用シーン1:原理試作段階での既存FPCの置き換え

製品化開発の手前の段階である原理試作では、試作サイクルをいかに早く回してコンセプトプルーフを行うかが重要となりますが、既存FPCはどうしても初期費用・試作リードタイムがかかってしまいます。そこで既存のFPCの代わりにP-Flex™を用いることで、試作リードタイム・コストを大幅に削減することが可能となります。

ウェアラブルデバイスメーカーA社では、P-Flex™の採用によりFPCの試作リードタイムを2分の1に、コストを5分の1に抑えることに成功しました。

利用シーン2:FPCを用いた原理試作を可能に

原理試作段階では大きなコストをかけるのが難しく、またいちいち高額な型を作成して資産化するのも避けたいという要望から、FPCの絡む原理試作はそもそも始めるのが難しいという例があります。P-Flex™を用いることで、FPCを必要とする原理試作も安価に始めることが可能になります。

自動車メーカーBでは、P-Flex™の採用によりFPCを用いた原理試作を始め、数万円といったコストでこれまでできなかったコンセプト機能を実装し、社内に展開することに成功しました。

利用シーン3:多品種少量製品でのFPC利用・置き換え

1機種あたり月数百台といった多品種少量製品においては、型代が高く、また開発にもコストがかかるFPCはそもそも利用できないケースも多く、利用していたとしても原価増大の原因となってしまいます。P-Flex™によって開発コストを削減するとともに、原価の低減にも貢献します。

機械メーカーCでは、1機種あたり年間数百台といった多品種少量生産を行っているため、これまでFPCは開発コスト・原価の視点から利用しておらず、既製品のハーネスやセンサ・モジュールを組み合わせた構成を行っていましたが、部品点数が多くアセンブリコストもかかるため、コスト高となっていました。P-Flex™を開発段階・実機両方で活用頂くことにより、10回にも渡る試作でFPCに比べ数百万円のコストダウンを実現し、実機でもP-Flex™により原価を大幅に削減することに成功しました。

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フレキシブル基板 P-Flex™ ダウンロード一覧

技術文書

名称 ファイルサイズ 最終更新日
P-Flex™ 仕様書 879.9 KB 2018年3月15日 ダウンロード
P-Flex™ Specifications (English edition) 641.6 KB 2018年2月8日 ダウンロード
P-Flex™と一般的なポリイミドFPCとの比較表 111.5 KB 2017年12月13日 ダウンロード

パンフレット

名称 ファイルサイズ 最終更新日
P-Flex™ とは 2.1 MB 2018年4月13日 ダウンロード
P-Flex™ Brochure (English edition) 2.4 MB 2018年4月17日 ダウンロード
P-Flex™用途別ガイド - センサモジュール 1.1 MB 2018年4月17日 ダウンロード
P-Flex™用途別ガイド - フレキシブルプロダクション方式 1.1 MB 2018年4月17日 ダウンロード

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