東大発ベンチャー AgIC、家庭用プリンターで作れる電子回路作成キットをKickstarterで事前予約スタート
2014年3月3日
3Dプリンター等の登場によって、新しいアイデアや製品を簡単に試作できるようになりました。いわゆるMakerムーブメントと呼ばれる動きが加速しています。このモノ作り革命をさらに一歩前進させる技術が、AgICの電子回路基板の簡単作成技術です。これまで、専門のプリント基板の製造業者に依頼していたような電子回路を、家庭用のプリンターを用いて簡単に自分で作成することができます。これにより、製品のプロトタイプの開発期間が飛躍的に短縮され、低コストで開発できます。
また、ハンダ付けなしで、導電性のテープや接着剤で電子工作ができるので、小さな子供でも、折り紙のような手軽さで電子工作を楽しめます。電子回路の教育や学習ツールへの応用も期待できます。
AgICは、東京大学の川原圭博准教授の研究成果をベースに、銀ナノインク、専用の印刷用紙、LEDやスイッチなどの部品をまとめてキット化し、プロトタイプ開発に必要なセットを提供します。2014年3月3日より、Kickstarterでプロジェクトを公開し、事前予約を開始しました。8月頃に製品出荷予定。目標金額は、3万USドル。
Kickstarter での事前予約の内容概要
Kickstarterでは、セッティング済みの回路印刷プリンターを599ドルで出品しますが、それを含めて大きく3種類の事前予約製品があります。
- (1) USB名刺: PCなどのUSBに挿すことでLEDが光る名刺サイズのカードで、12ドルで決まった内容、29ドルでオーダーメイドの名刺それぞれ1シート(12枚)をお届けします。
- (2) 導電性ペン: 描くだけで回路が作れる導電性ペンと専用の印刷用紙のセットで、筆ペン式のものが19ドル、マーカー式のものが29ドルです。
- (3) 回路プリントキット: 家庭用のプリンターで回路印刷を行うためのキットで、プリンター別売でインクや工具などが同梱されたDIYセットが299ドル、調整済みの回路プリンターが599ドルです。
エレファンテック株式会社について
エレファンテック株式会社(本社: 東京都文京区、代表取締役社長: 清水信哉)は、東京大学の川原圭博准教授(エレファンテック社の技術アドバイザー)の研究成果 (http://dl.acm.org/citation.cfm?id=2493486) をベースに、銀ナノインクを用いた電子回路のプリント技術を事業化。2014年1月に設立。ロボットベンチャーSCHAFTなどの東大発ベンチャーを多数サポートするTomyK(代表: 鎌田富久http://tomyk.jp)が起業を支援。