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【フレキシブル基板にチャレンジ!】ノートPC分解編[1]

【フレキシブル基板にチャレンジ】シリーズ とは
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エレファンテック技術ブログ新企画、東工大の学生が初めてフレキシブル基板を使って、実際に電子工作する試行錯誤のレポートです。 失敗を繰り返し、本人たちは落ち込んでいることも多いのですが、読者のみなさん目線からすると、逆にものすごく参考になるのではないでしょうか。 とても面白いシリーズです!

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こんにちは。高橋です。

今回はこのPCを分解したいと思います!(Youtuber風)

ThinkPad E440 (7万円ほど)。故障済み。 ThinkPad E440 (7万円ほど)。故障済み。

 

 

分解のワケ

そもそも、現状フレキシブル基板を使うのは主にメーカーの方々です。個人製作で手を出すにはやはり少々コストがかさみ、またそこまでしてFPCに手を出す理由があまりないからです。

フレキシブル基板の一番のメリットはやはりその薄さと曲げられるということで、即ち省スペースであるという点です。それが活きるのは当然薄い、または小さいことを求められる製品であるわけです。

であれば、そういった製品を分解すれば中からフレキシブル基板がゴロゴロ出てくるのではないか…? という思い付きが元で、高橋が廃棄しかけていた壊れかけのノートPCを分解しようという話になったのです。

 

執刀開始

詳しい分解手順はネット上に取説があるのでそちらを参照して頂き、要所要所を見ていきたいと思います。

 

まずキーボードを外します。

まずキーボードを外します。

フレキシブル基板

早速フレキシブル基板っぽいのが。

それも当然、ノートパソコンのキーボードにはフレキシブル基板の亜種であるメンブレンシートが採用されているからです。メンブレンシートについてはこちらの記事、【フレキシブル基板にチャレンジ!4】電卓編:メンブレンスイッチをどうぞ。

これを外し、各所のネジを外してカバーも外すとマザーボードとの対面となります。

右側の空白にはCDドライブが入っていました。

右側の空白にはCDドライブが入っていました。

……思ったよりフレキシブル基板が少ないかな?と思いましたが、気を取り直して更に分解。

この後なんやかんやあって分解に難儀しながらも、最終的に基板部品だけ取り出したものがこちらです。

FFCじゃん!!!

……FPCじゃなくてFFCじゃん!!!(爆死)

(FPCとFFCの違いについてはこちら:【フレキシブル基板にチャレンジ!5】電卓編:コネクタを参照のこと)

というか、改めて考えてみるとこのPC普通に分厚いんですよね。

そこまで厚さに敏感なものなんでしょうか。別に普通のケーブルでいいんちゃう?? ←後でサーボモーターばりの掌返しかまします

 

FFCが使われている箇所

キーボードはとりあえず置いておいて、以下、FFCが使われている部品の解説を。

 

①電源ボタン

FFCの先端を剥いて基板に直接はんだ付けしていますね。FPCでは真似できないですが、厚さ的に有利な方式です(我々は電卓のメンブレンシートの製作で似たようなことをやったんですが、やはり大変でした)

 

②電源系の基板

電源系となるとそこそこの電流量が流れるので、ケーブルに比べて抵抗が大きいFPCが使えないのは理解できます。

でもそれならFFCもどうなんだろう、パターン細いし…と思っていると。

裏面に基板対基板コネクタが付いたケーブルが。

このケーブル、包まれた内部は普通のリード線となっていました。なるほど。

 

③USB&SDカードスロット基板

マザーボードにそのまま載せてもいいんじゃないかなあとか思ったりもしましたが、何か事情があるんでしょうか。

思いついたのはコネクタが逝った時に修理しやすそうだなあとか。意外と合ってたりして?

 

④タッチパッド&指紋センサー

これと電源ボタンはひっぺがした表面カバーにくっついていたので、FFCで繋ぐのは合理的ですね。薄さが活きる点でもあります。

まとめ

分解していて、上記の電源ボタンとタッチパッド等を繋ぐFFCは敢えて長くしているのかな?と思うことがありました。

あまり短いと持ち上げる余裕が無いため非常に分解しにくく、かといって長くするとただのケーブルであった場合線が暴れて収納しにくい…と考えると、薄く、また何もしないとまっすぐでいてくれるというのは組み立てる上でメリットが多いのだなあと感じました。普通のでいいんじゃね~とか言ってすいませんでした!!!

ただ、メンブレンシートを除くと思ったよりFFC自体が少なく、またFPC、つまりフレキシブル基板に至っては全然使われてないというのが残念な結果となりましたが。

 

 

次回予告

若干不完全燃焼なままバラバラになったPCを眺めていた平野と高橋。

手慰みにCDドライブを弄んでいた二人は、衝撃的なものを目にすることとなる…

 

「……!?」

「どうした?」

「これは……!?」

 

「「ふ、フレキ―――――!」」

 

次回、CDドライブ分解号。