【インタビュー】高木健さん

今回のインタビューは、メガネ型の片耳難聴者用補聴器「asEars」プロジェクトのリーダーである高木健さんのインタビューです。
高木さんご自身が片耳難聴であることから生まれたという「asEars」は、今春米国テキサス州で開催された SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)2018 に出展され話題になりました。
インタビューでは弊社フレキシブル基板 P-Flex を「asEars」に実際に使用した感想なども含めてお話を伺いました。

インタビュー

(野村)
では本日のインタビューは高木健さんです。
よろしくお願いします。

(高木)
よろしくお願いします。

(野村)
まず自己紹介をお願いします。

(高木)
東京大学の工学部の4年生で、今 asEars のプロジェクトのリーダーをやっています。
この asEars というのは片耳難聴という片耳が聞こえない人のための眼鏡で、これをかけると聞こえない側の耳の音を拾って、聞こえる側の耳に伝えるものになっています。

(野村)
片耳難聴のためのデバイスは珍しいと思いますが、どういったきっかけで開発しようと思ったのですか?

(高木)
自分自身が片耳が聞こえません。
大学に入ってからいろいろな人と関わる機会が増えて、懇親会などで輪になって話しているときに、右側の人の話を聞かないといけない場合があります。
そういうときに、自分の聞こえない右側の耳から話してくれる人の声が全然聞こえないなと思って、こういうデバイスが欲しいと思いました。

(野村)
片耳難聴の人のためのデバイスというアイデア自体の評価というか、面白いという意見もあったと思います。
エンジニアリングとしての作り込みの精度というか、そういうところの反応はありましたか?

(高木)
いただいた反応は、思ったよりも完成度が高いという声を結構いただいています。
学生の作ったプロトタイプであるから、線がむき出しであったり、見た目が悪かったりするのではないかと思っていた人が結構いたのですが、「完成度が高いね」という反応をいただくことができました。

(野村)
一番気になるところですが、P-Flex を実際に使ってみて良かったところとか、もっとこれから改善してほしいところは、どんなものがありますか?

(高木)
価格が従来のより抑えられて、納期も短いので、実際に初めて3Dモデリングした眼鏡に納めたので基板の長さの調整などが思うようにいかず、何回も発注してやり直して、この辺がうまくいかなかったからもう一回やり直すということが、速いサイクルで安く回せたことが良かったと思います。

一方で要望としては、今回は外寸が詰められないまま発注してしまったので、結構長さが余ってしまいそこが折れると一瞬で基板がお亡くなりになってしまうので。

(野村)
断線してしまう。

(高木)
はい。薄くて折れても平気というものが将来的にできたらいいと思います。

実は今、この中にフレキ(フレキシブル基板)が2種類入っています。
バッテリーが右側に入っているのですが骨伝導(スピーカ)やオーディオアンプやマイコンは左側に入っているので、電力をこちら側(左側)まで伝送しなければいけません。
今の P-Flex の銅膜の厚さが薄い関係で、またこのフレームに収めないといけないので、幅も小さくしなければいけません。
今は 6mil(約 0.15mm)でやっているせいで、この抵抗値が 5Ω ぐらいあります。

(野村)
ちょっと大きいですね。

(高木)
一番最初に作ったときは、全部 P-Flex に電源ラインを載せていたのですが、そのときに電圧降下がとても大きくなり、マイコンの挙動がおかしくなることがありました。
そこの抵抗値も下げてほしいところがあります。

(野村)
最後に、高木くんの今後の展望をお願いします。

(高木)
まずこの製品については、作り始めたときからずっとある議論として、そもそも眼鏡になっている理由としては自分が眼鏡をかけているからそれに一体になったらうれしいという思いが最初にあった訳ですが「では眼鏡をかけていない人はどうするのか?」というご指摘をいろいろな人から受けました。
この煩わしさを減らした片耳難聴のための装置を、真っ先に提供する価値だと考えているので煩わしくないデバイスというコンセプトで、眼鏡型以外も開発を進めていきたいと考えています。

(野村)
本日はありがとうございました。

(高木)
ありがとうございました。