【インク吐出評価サービス ブログ : 6】インク吐出評価の撮影画像と評価項目についての解説

 インク吐出評価の項目について、インクジェットに初めて挑戦する方々から専門用語が多く分かりにくいと指摘を受けまして、詳しい解説をさせていただくことにしました。

 この吐出評価の説明でよく出てくる以下の写真について、何を現しているかを説明したいと思います。
 この写真は空中を飛行している液滴を瞬間的に捉えた画像になります。画像の上から下方向に液滴が飛行しています。R&D用インクジェット装置で使用するインクジェットヘッドのノズル列は一列に400個並んでいます。この撮影では、一度に23個分のノズルから吐出された液滴を撮影しています。横一列に液滴が並んでいれば、速度も同じであり安定して飛んでいることが一目で分かります。この例では、1つだけ異常の液滴があります。ノズル側に近い位置に存在しているので飛行速度が正常に飛行しているものより遅いことが分かります。ちなみに、このような異常が起きると正しい位置に液滴が着弾せずに、綺麗な描画ができません。原因については様々なことが想定され、この結果だけでは断定することができないため、原因を追及するには多くの評価や分析が必要になります。想定される要因については、別の機会に説明したいと思います。
 インク吐出評価は、様々な条件でノズルから吐出された液滴を観察して得られる情報から、本ヘッドに対するインク適正という観点で結果を提出します。

観察画像の解説図

以下に評価項目の解説を詳しく記載しました。もし分からない点がありましたら、お気軽にお問合せ下さい。

評価項目 項目の解説
初期充填性 インクをインクジェットヘッドに初めて充填する際に、全てのノズルにインクが正しくいきわたり、正常に吐出できるかを評価します。この結果が悪いと、吐出できないノズルが存在し、綺麗に描画できなくなります。
間欠安定性 ヘッドのノズル面を空気中に開放させ、ある一定時間放置後でも正しく吐出できるか等、インクの乾燥による影響を調べる評価になります。この結果が悪いと、印刷中に使用されないノズルでの詰まりが発生することがあり、綺麗に描画ができなくなります。その他に、ヘッドがキャップされていない環境での影響を調べるために長時間での評価を行う場合もあります。
液滴重量追従性 電圧変化に対し液滴重量が追従するか評価します。追従性が高い方が細かい塗布量の制御が可能になります。特に機能性インクは塗布量が重要な要素です。細かい制御が可能であれば狙いの塗布量に安定的に調整することが可能になると言えます。
飛行速度追従性 電圧変化に対し飛行速度が追従するか評価します。高速に飛行できれば着弾位置が安定し、高精度な描画が可能になります。ヘッドには使用可能な電圧範囲があるので、その範囲内で描画に適した吐出速度に調整可能かを判断します。
周波数特性 インクの吐出間隔について高周波での安定性を評価します。印刷生産性を向上させるには高周波での吐出が必要になりますが、その到達レベルを簡易的に評価します。高周波で使用したい場合には、波形調整して追い込む必要があります。

これらの吐出評価を実施するには、最低50ml、通常は100mlのインクを提供いただいています。次回は、インク評価を少量で実施する方法について説明したいと思います。


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