ベースとなるフィルムの材質の違いについて

フレキシブル基板 PET製

通常のフレキシブル基板のベースとなるフィルムはポリイミド製のものが多いのですが、弊社のものはPET製でできています。
これらの違いを各スペックで比べてみましょう。

  25μm ポリイミドフィルム
(代表値)
125μm PETフィルム
(代表値)
引張強度(MD) [MPa] 330 210
引張強度(TD) [MPa] 330 230
引張伸び(MD) [%] 80 207
引張伸び(TD) [%] 80 153
密度 [g/cm3] 1.42 1.4
融点 [°C] なし
(800°C以上で炭化開始)
260
吸水率 [%] 2.3 0.4
水蒸気透過率 [g/m2/24hr/0.1mm] 84 6.9
酸素透過率 [cc/m2/24hr/atm] 223.2 15.2
絶縁破壊電圧 [kV/mm] 380 300
体積抵抗率 [Ω・cm] 1×1017 1×1017
誘電率(1kHz) 3.4 3.3
誘電率(1GHz) 3.2 3.2
誘電正接(1kHz) [%] 0.24 0.2
誘電正接(1GHz) [%] 0.85 1.0
使用加工可能温度範囲 [°C] −269 ~ 400 ‐70 ~ 180

ここで出てくるMD、TDというのはフィルムの製造時に流れ方向の向きと並行の方向か直角の方向かの違いを示す言葉です。
MDはMachine Direction で流れ方向、TDはTransverse Direction の略で、フィルムはこの製造時の方向で物理的特性が一部違います。

ここからわかるそれぞれの素材の利点欠点を見てみましょう。

  ポリイミドフィルム PETフィルム
利点
  • 高耐熱性があり、通常のはんだ付けが可能
    配線の温度が上がりやすい大電力伝送にも使用可能
  • 低コスト
  • 通常の温度範囲で運用する上では十分な温度耐性と強度がある
  • 高いガスバリア性、湿気にも強い
欠点
  • 高コスト(PETの100倍)
  • ガスバリア性が低めで酸素や水分を通しやすい
  • 耐熱性が低めなので、熱を持つ電力伝送回路に使う際は注意が必要。 また通常のはんだは使用できず低温はんだのみ対応
  • GHz帯の誘電正接はポリイミドより少し悪い

ベースフィルムの材質によって様々な利点欠点がでてきます。これに加えて、フィルムの厚さで機械特性、電気特性が変わってきます。この点に関してはまた別の記事でご紹介したいと思っています。

弊社では、PETフィルムベースの回路でも部品実装が可能な低温はんだの推奨と部品実装サービスを提供しております。詳しくは低温はんだの解説ページをご覧ください。

(杉本雅明)

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