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AMC 始動(1)

エレファンテック杉本です。2020年4月にAMC(アディティブマニュファクチャリングセンター)を設立し、三井化学から出向いただいた川本氏にセンター長に就任いただき、新体制で皆さんに貢献していこうと動き出しました。

すでにリリースさせていただいたサービスにインクジェット吐出試験サービスがあります。こちらは、日本画像学会のツアーで弊社にお越しいただいたときに出会って仲間になった齊藤が皆さんとともに課題に取り組ませていただきます。

さて、そのAMCですが主に4つのテーマにフォーカスしております。我々の得意なエレクトロニクス、P-Flexでお客様からお声がけが多かったバイオセンサーを含むヘルスケア、以前 セメダインさんと挑戦したことがあるテキスタイル、そして三井化学さんも得意とするオプティクスの4つになります。これらは別々に分かれているわけでなく、クロスすることもあります。例えば、ヘルスケア分野も電極がまつわるものも多く、エレクトロニクスと捉えることもできると思います。今回は、エレファンテックがバイオセンサーにまつわるきっかけとなったストーリーを共有していきたいと思います。

これまでとこれから

そもそも、弊社はAgIC時代、家庭用のインクジェットプリンターを回路プリンターにコンバートする商品を販売していました。今見ても、キックスターターの映像は「新しい体験」を提供できていると感じます。

AgIC Print – Printing circuit boards with home printers より

デスクの上における程度の、安全でゴミが出ない印刷機からコントロール+Pで回路がでてくるというのは未だに叶いきっていないヴィジョンであり、Makerたちの夢ですね。1980年代にDTPという概念が生まれて様々なビジネスやカルチャーが生まれたと思います。

重要な特許切れをきっかけに、最近FDM式の3Dプリンターはかなり身近な存在になりましたが、製造装置としての市民権は、ようやく最近、業務用のプリンターの一部で得られつつあるような状況だと思います。面白いなと思うのは、3Dプリンターが生まれたのも同じ1980年代なんですよね。最初のパテントが1986年、FDM式のパテントは1989年なんですよ。そこから時代はめぐり、2009年にFDM方式のパテントが切れるわけですが、そこから10年で本当にいろいろなことがあったなと思いますね。弊社の設立は2014年ですが、2012年のForm1のキックスターターの影響も強く受けていると思います。いやー、Form1の初期ロットユーザーでもあるのですが、レーザーがめちゃ弱くて当時は本当に苦労しました。今使ってるForm3は完全に別物で、とても調子が良いです。まだ家庭用というにはForm3は高級ですが、弊社と同じキックスターターでローンチして始まっているベンチャーとしては、こんなに精度の良い3Dプリントできる機械が、こんなに身近な存在になるのかと嬉しくなりますね。

最初のキックスターターの時の様子

そんなわけで、エレファンテックは、2010年からのMaker Movementだったり、クラウドファンディングだったり、大学の研究だったり(弊社は東京大学川原研究室の研究をきっかけに生まれた)、そんな文化の上に成り立っている会社であります。だから、普段から様々な論文を読むのですが、相変わらず家庭用プリンターをハックして様々なチャレンジをしている研究者の皆さん(めちゃ親しみを感じています!)のチャレンジの中にあるキーワードが目立つことに気づきます。それがバイオセンサーだったのです。

次回はバイオセンサーについてさらに詳しく書きたいと思います。