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フレキシブル基板(FPC) P-Flex®の入稿ファイル形式【初心者向け】(2017年9月)

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入稿ファイル ガーバーファイル

エレファンテックのフレキシブル基板(FPC) P-Flex® に興味はあるものの、入稿ファイルの形式がよく分からないという声をお客様から聞くことがあります。
この記事では現在入稿を受け付けている二つのファイル形式とその特長について紹介します。

P-Flex®オンデマンドでは、オンラインでフレキシブル基板(FPC)のご注文ができますのでご覧ください。(* 2018/08~ オンデマンドは停止中です。)

現在、P-Flex®を製造するためには、以下のファイル形式のどちらかで入稿していただく必要があります。

  • RS-274X(拡張ガーバーフォーマット)
  • Adobe® Illustrator®

RS-274Xはフレキシブル基板を含むプリント基板の製造の際に広く用いられている形式で、多くの回路CADから出力できます。一方で、電子回路の設計を専門としない方にも広くP-Flex®をご利用していただきたいという思いから、定番ドローイングソフトウェアのAdobe Illurstrator形式での入稿も受け付けています。

エレファンテックでは初期費用ゼロ、短納期での製造を実現するために、データチェックを含めた製造の自動化を進めています。そのため現在は限られたファイル形式のみの対応となっていますが、DXFなどその他のファイル形式のサポートも検討中ですので、ご要望がありましたら contact@elephantech.co.jp までご連絡ください。

* AdobeおよびIllustratorは、Adobe Systems Incorporated(アドビ システムズ社)の商標です。

RS-274X(拡張ガーバーフォーマット)
プリント基板の製造にはガーバーフォーマット、ガーバー形式などと呼ばれるファイル形式が世界的に利用されています。以前はRS-274D(標準ガーバーフォーマット)と呼ばれる形式が主流でしたが、過去の製造機械のために作られたフォーマットであり、現代ではファイルが重くなりがちなことや取り扱いが煩雑なことから次第に利用されなくなって行きました。

そこで新しい形式として設計されたのがRS-274X形式です。RS-274D形式に機能を追加した形式なので拡張ガーバーフォーマットとも呼ばれています。業界標準のフォーマットのためファイルを編集するプログラムも多く存在し、エレファンテックでも自動で製造用のファイルに変換するプログラムを開発しています。

多くの回路CADでRS-274X形式を出力できますが、エレファンテックではEAGLE、KiCadやQuadceptなどをよく利用しています。

Adobe Illustrator
アドビ社によるIllustrator(イラストレーター)は定番ドローソフトとしてご存知の方も多いと思います。デザイン・イラストレーションなどの分野で広く利用されていますが、フレキシブル基板の回路設計ツールとして利用することもできます。

ベクターイメージを表現することに特化したファイル形式のため、線や円、長方形などで構成される電子回路(実体配線図)にも適しています。

電子回路設計を専門にしている方が利用される機会は少ないかもしれませんが、エレファンテックのお客様の中にも、より複雑な形状が設計しやすいことからあえて回路CADではなくIllustratorを利用して設計されている方もいます。

Illustrator形式は非常に複雑な形式でありまたプリント基板業界で一般的に利用される形式でもないことから、ファイルのチェックや編集を自動化することが難しく、エレファンテックではIllustrator形式の入稿には製造費とは別にファイル編集費をいただいています。

二つのファイル形式の特長に応じて設計しやすい方で入稿していただくと良いと思います。それぞれのファイル形式で設計する際の注意点に関して改めて記事を書く予定です。



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