トップメッセージ:今と未来の仲間に向けて

私は、私がいたことで、この会社があったことで、人類の科学の進歩を10年でも20年でも早めて人類の幸福と生存に貢献できた、そうでなければ私とこの会社の存在意義は無いと考えています。
この会社は、私が前職で米国留学中に起業を決めた会社ですが、米国で感じたのは、人類を前に進める強力な推進力でした。「これが人類にとって必要な技術だ」となれば、それを目指して人を集め、金を集め、技術を開発する。「この業界はなかなか変わらないから」「誰もまだ成功してない分野だからリスクが」なんて言っている暇があればとにかく実現に向けて進める。もちろん全てが成功するわけではありませんが、その中からGenentechが、Modernaが、Teslaが生まれて人類を前に進めています。今も例えば気候変動の解決に貢献する新材料・新製法を開発するスタートアップが続々と登場しており、しばらくの間、米国は人類の進歩を進める中心的存在であり続けると思います。そして、それだけ人類の最前線で本質的な価値を生み出している以上、それに見合った富が生まれるのは当然です。

私は、日本もそうあるべきだと考えています。むしろ日本は、その本来のポテンシャルと現実の落差が世界一大きく、可能性が極めて大きい場所だと思っています。日本にイーロン・マスク級の起業家がいれば、日本の技術と資産をフルに使ってどんどん人類を前に進め、大きな富を生み出すのは間違いない。そして、いなければ、自分がなるしかない。その考えで私はこの会社を始め、ここまで進めてきました。
我々の手掛けるこの技術は、本当に世界を変える可能性のある、素晴らしい技術だと思っています。金属を印刷するという、製造のパラダイムを大きく変える技術であること、省資源・省エネルギーで人類にとって本質的に必要な技術であること、ナノテクと超高精度MEMSというここ20年で大きな進歩があった基礎技術に基づいていること、全てが今、我々が、未来のために、やるべき理由であると考えています。
また、これが大きく儲かるビジネスである、ということが重要です。結局のところ、儲からなければ人類を進歩させることもできません。ESGの考え方も、利益を求めないのではなく、むしろ長期的にちゃんと儲けるためのものです。この技術は、これまでより遥かに必要な材料や工程が減るという本質的な価値を提供し、我々と顧客両方がしっかりと利益を享受でき、また最先端・独占的な装置と材料という価格競争に陥りにくい事業形態で、大きな利益を生み出し、さらに人類を前に進めていくことができる条件が揃っています。
これまで日本では、真っ向から世界最先端の技術を開発して世界を変える、というスタートアップの例は極めて少なかったと思っていますが、我々がその成功例になるべく事業を進めていきます。現在の一部半導体材料や装置のように、「世界中から列をなして買いに来る」「この会社が無ければ世界が回らない」という事業になるまでの道は既にはっきりと見えています。
今の、そして未来における社員、仕入先、得意先、提携先、株主、全ての関係者の皆様、ぜひ共に、未来を作っていきましょう。

エレファンテック株式会社 代表取締役社長 清水信哉